つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

2000年代女性系

ちくたくぼんぼん

「勝田文」の作品の中では、3冊と最長編なのだが個人的にはやや残念な読後感。 世界観とそこに生きるキャラクターの雰囲気作りが巧い作者なのだが、本作はストーリー展開重視でキャラクターが無理やり動かされているぎこちなさを感じてしまった。 こんな風に…

黄色い本

「高野文子」の才能を感じたければ、個人的には、やはり本作がベストである。表題作の「黄色い本」は圧倒的な完成度を誇る傑作で、多分、どの年代、どの性別に読ませても通用する作品である。これは物凄い事だ。 人が読書に没頭するという、ただそれだけの単…

放浪息子

志村貴子の最長編作品「放浪息子」 これだけの長編なので、今までの志村作品とは何か違うかと思えるが、やっぱりあまり変わらない。 ただ、相変わらず圧倒的に色気があり魅力のある作画である。 本ブログでも何度も天才と評している通り、この作者の場合、や…

魔法使い養成専門マジックスター学院

様々な掲載氏を転々としながら連載された、不思議な学園ファンタジー作品であり、作者「南澤久佳」の代表作である。 主人公の相棒が青虫だったり、突如テンションの高いギャグが挟まれたり等と、なかなかにクセの強い作品だが、キャラクターには魅力があり、…

AQUA / ARIA

作者「天野こずえ」を一躍有名にした代表作。水の惑星「AQUA」の街を案内する、水先案内人=ウンディーネの主人公を描いたファンタジー作品。 萌え系の画風やキャラクターの作品が苦手なのだが、本作の持つ独特の世界観と、ゆったりとした物語は確かに高いオ…

町でうわさの天狗の子

作者「岩本ナオ」の出世作となった天狗の子も無事完結。 「雨無村役場産業課観光係」の牧歌的で少しリアルな世界観も良かったが、本作は、日常の高校生活の中に「天狗」という異世界を自然に混ぜ込んだ、混沌ファンタジー。 天狗と人間のハーフに産まれなが…

女子妄想症候群

フェロモンをまきちらす美少年「炬 烔至」と、そんな彼を見ては妄想をつのらす「唯木 滸」の二人を描いたラブコメ作品。序盤は圧倒的なギャグ漫画で、可愛い絵柄で下ネタ、デフォルメ、劇画とジャンルを問わずにネタを放り込んでくるその姿勢に少女マンガに…

ガートルードのレシピ

様々な悪魔の身体の一部をつなぎ合わせて創られた人造悪魔「ガートルード」と、そんな彼の旅につき合う事になった少女「佐原」の物語。悪魔の製造方法を「レシピ」と評するタイトルにもあらわれているように、ファンタジー作品としてのオリジナリティは相当…

ママゴト

やはり「松田洋子」作品は良い。人間の持つ泥臭さの表現の幅が、並のマンガ家と一線を画している。 風俗店時代に授かった最愛の子供を自分の不注意で死なせてしまった映子。 その事件以降、子供と向き合えない人生を送っていた彼女が、友人の子供を預からな…

花とみつばち

なんとも「安野モヨコ」らしい作品である。クラスのモテないグループに位置しながら、どうしてもモテたい男子高生「小松」が、ひたすら無様にもがいていく本作。男子高校生の持つ、リビドーなのか愛情なのかよくわからない思春期特有の恰好悪さを女性作者な…

MとNの肖像

M=マゾのヒロインと、N=ナルシストの彼氏という異質なキャラ設定で挑んだ「樋口橘」の初期作品。序盤は、性癖描写と画力のレベルがあっておらず、なかなかに読みづらい部分があったが、全6冊の中で、画力は確実に向上している。ストーリー全般も、典型的…

B.B.joker

圧倒的に斬新でくだらないダジャレを、何とも可愛らしい絵柄で展開したある意味伝説的な4コマ作品。最初読んだ時、少女マンガ出身のギャグ4コマで、こんなスゴイ才能があり得るのかと心底驚かされた作者「にざかな」だが、原作のどうしようもないネタを書く…

柴田さんちのエリザベス

これは久しぶりに勿体ない作品だった。世界的な富豪の娘「エリザベス」がお見合い手を間違えた事をきっかけに、日本のしがないサラリーマン「柴田薫」のお嫁さんになるという強烈な導入。しかも、「薫」の家には前妻が残した、連れ子が5人。そんな生活の中に…

脂肪という名の服を着て 完全版

これこそ、「安野モヨコ」と呼ぶべき「安野モヨコにしか描けない作品。太っていて気が弱いOL「花沢のこ」は、食べている間だけ、シビアな現実を忘れられる日々。それでも、徐々に日常は壊れ始め、ついに彼女はやせる事を決意する。やせられれば、やせさえす…

ひきだしにテラリウム

(2013年評)しかし、相変わらず残念なことに「九井涼子」と相性が悪い。わりと騒がれる事の多い作者だが、そこまで素晴らしいと思えないのが残念。今回は前2作に比べて、格段に画力の自由さが上がっているのは認める。縛られることなく作品作りが出来てい…

相羽奈美の犬

強烈に感想を描くのが難しい作品。さすが「松田洋子」である。 ヒロイン相羽奈美を追い回すニートの引きこもり主人公が、交通事故に巻き込まれて、結果、犬になり、彼女に飼われる事になる。 ここまででも相当強烈な展開だが、この主人公が人間に噛みつくと…

ヨイコノミライ 完全版

今でこそベテランになりつつある、作者「きづきあきら」+「サトウナンキ」の夫婦コンビだが、その名を高めたのは、やはり本作からだろう。漫画サークル系マンガが人気を博しはじめた、2000年代にWeb系雑誌に颯爽と登場し、ダークな視点のオタクマンガを提供…

KING MARKER 王の採点係

ファンタジー色が得意な作者「喜多尚江」による作品。呪いで子供の姿にされてしまった王子様が、現代日本に携帯で転送されてくるという、異色の設定で始まる物語だが、全2冊と、十分な面白さが発揮される前に完結してしまった印象である。王子様の呪いを解く…

strawberry shortcakes

「魚喃キリコ」の代表作と呼ばれる本作だが、個人的にもこの作品を推したい。女性の持つ内面世界を、4人の登場人物を通して、これでもかというほど繊細に美しく表現した本作。基本、ショートストーリーの連作ではあるが、少しずつ時間軸が動く中で、変わって…

時間の歩き方

「榎本ナリコ」が面白いのは知っていたが、もっと感性のマンガ家だと思っていたので、タイムトラベル作品が描けるとは夢想だにしなかった。 ところが、これが面白い。 勿論、凄く難しい設定の作品なので粗を探そうと思えばたくさん見つかるのだろうが、最初…

ジュゲム・ジュゲム

地味な作者「ケイケイ」が送る何とも言えない女性の日常を切り取ったオムニバス形式の作品。非常に地味な作品なのだが、どこにでもありそうで、なんとも言えない日常を面白い物語として描く腕前はなかなかのもの。キャラクターの表情も目玉が描かれるだけで…

魔法使いの娘ニ非ズ

十数年前に始まった、天才「那州雪絵」の復活を感じさせた魔法使いの娘シリーズも、ついに最終7巻で完結してしまった。この十数年、オカルト系作品としては、最高峰の面白さを保ちながら、毎年1冊程度の単行本を楽しませて頂いたものである。そんな作品の続…

ヤスコとケンジ

俺物語でブレイクした作者「アルコ」の代表作。 元暴走族の総長「ケンジ」とそんな兄貴に頭を悩ます「ヤスコ」の二人の兄妹バトルを描いたコメディ作品。かなりギャグ寄りの作品で、よくありがちないざとなったら頼れるお兄ちゃん的な物語はあまりなく、強烈…

どうにかなる日々

相変わらずマンガ読み泣かせの作者、それが「志村貴子」である。何か物凄く深いテーマ性や物語があるわけではなく、淡々と男と女や少年と少女や場合によっては少年と少年の恋愛やSEXを描く本作。シリーズで続く短編もあれば単品で終わる話もあり、テーマ…

あしめし

「アシスタトでメシが食えんのか」略して「あしめし」である。その名の通り、アシスタント体験ルポマンガであり、当初はブログで連載していたものが、昔の担当のよしみで書籍化。作者の「葛西りいち」は、その後、このネタを引っ張って、色々な続編を書籍化…

イエローバックス

引き続き「高浜寛」である。 ガロ系デビューに相応しい短編を綴った初期作品集。 海外のベスト・オブ・ショート・ストーリーを受賞したというのも良くわかる作品で、芸術性と儚さが多分に含まれた出来栄えである。しかし、マンガと芸術性というのは、些か難…

楽屋裏

ひたすら締め切りを破る作者「魔神ぐり子」とお面の担当「小柳」の苦悩の日々を描いた4コマ漫画。 まさに「楽屋裏」のタイトルに相応しく、様々な言い訳で締め切りを破る作者と、罵詈雑言で攻め立てる担当「小柳」のやり取りは最早漫才であり、完全にマンガ…

LET IT BE!!

読者からの下ネタ相談という異色の作品「コイズミ学習ブック」で天下を取った作者「こいずみまり」の初の長編ラブコメ作品。決して絵が上手い作者ではないはずなのだが、マンガらしさの原型を感じる作風で、昔から同じような絵を描いているが、今でも古臭く…

低俗霊DAYDREAM

「低俗霊」シリーズ第二弾低俗霊狩りの「奥瀬サキ」が原作となり、作画担当「目黒三吉」となった作品。SMの女王様と「口寄屋」という二つの職業を持つ異色の女性主人公を中心に、死者の世界を描く本作。 オカルト系作品の持つ「怖さ」の表現力に関しては、シ…

逃げるは恥だが役に立つ

社会現象になった「逃げ恥」の原作も、ついに完結。以前も似たような事を書いたが、往年のマンガファンからしてみると、「海野つなみ」の作品が、ここまでメジャーになるとは予想だにしなかった。マンガ原作自体は、非常に人を選ぶ絵柄とキャラクターの作品…