つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

1990年代男性系

宗教漫画の苦難 ~ あっかんべェ一休

総合評価・・・3.84 久しぶりに一流の作品を読んでしまった。とはいえ誰にでもオススメできる面白いマンガというわけではない。本ブログでは稀に「一流の作品」という表現を使うのだが、これは、「面白いとか面白くないとかを超えて創作者としての熱量が凄ま…

ご近所ヒロイン ~ 雪乃すくらんぶる

総合評価・・・3.36 懐かしのNORAコミックスである。作者「井原裕士」の初連載作品という事で1巻の最初に収録されている読み切り「雪乃エマージェンシー!」の初出がなんと1993年だった・・・。個人的にはノーラコミックス全般は若いころに読んでいた少し古…

漫画家の信念 ~ うしおととら

総合評価・・・4.46 今まで人生で何度か読み返しているわけだが、問答無用の名作である。しかし、それ以上に今回久しぶりに本作を再読してみて気がつかされたことがある。それは漫画家「藤田和日郎」の剛腕に関してだ。この剛腕とは何を意味しているかという…

公道最速理論 ~ 頭文字D

総合評価・・・3.84 レースを描かせれば当代随一の漫画家はやはり「しげの秀一」だろう。最近ではMFゴーストの流れから再度本作「頭文字D」に誘導される読者が増えたようだが、バリバリ伝説以来のファンとしては嬉しい限りである。ちなみにバリバリ伝説は当…

異色短編集 ~ 藤崎竜作品集

総合評価・・・3.64 最近、封神演義のレビューがやけにPVが多いので、それに関連して久しぶりに読み直した藤崎竜の各種短編集を再レビュー。ちなみに藤崎竜の短編を読みたい場合は、以下2つの方法がある。 ジャンプコミックスの藤崎竜短編集(全2冊)こちら…

「なんとかなる」の物語 ~ シャーマンキング

総合評価・・・3.48 マンガの中にはたまに「あー、あの最終回どうなったんだっけ、なんか凄い良い場面があったのだけは覚えてるんだけど・・・」みたいな感情を掻き立てられて、ついつい再読する作品というものがある。 というわけで、SHAMAN KING=通称「マ…

早すぎた才能 ~ 封神演義 

総合評価・・・3.76 久しぶりの更新という事で、懐かしの封神演義である。ネタバレありなので、未読の方は禁止。 さて、ジャンプ連載当時に大好きだった本作を約20年ぶりぐらいに読み返してみて感じたのが、「あれ、この程度だっけ?」という何とも辛口な感…

SLAM DUNK

総合評価・・・4.84 というわけで、近年のマンガ界における王者「SLAM DUNK」である。最早説明不要の名作なわけだが、改めてレビューを書くにあたって読み返したら、結局3回ぐらい読み返してしまうほど、ハマった。やはり、この作品の持つエネルギーは凄まじ…

俺たちのフィールド

ワールドカップといえば思い出させられる本作。作者「村枝健一」の代表作であり、少年サンデーにおけるキャプテン翼的なサッカーマンガである。世代的には90年代のマンガ作品らしく、夢物語的な展開が多くはあるが、少年マンガとしては妥当な水準だろう。中…

編集王

「土田世紀」についてのレビューも本日で一旦、終了である。最後は満を持して「編集王」について触れたい。これはもう、文句なしに作者の最高傑作と叫びたい作品なのだが、それは偏に作品が粗削りだからである。この作品より洗練されたマンガは数多くあるが…

同じ月を見ている

引き続き「土田世紀」本作のテーマはまさに、作者が敬愛する宮沢賢治の作品「雨ニモマケズ」だといえるだろう。田舎の山奥で貧乏な暮らしをしながらも、誠実さや純粋さといった現代社会では失われた感性を持ち続ける主人公「ドンちゃん」東京から転校してき…

俺節

久しぶりに編集王を読み返して、完全に「土田世紀」の世界にやられたので、何作かレビューを。まずは、初期の代表作「俺節」である。この作者の画風で演歌の世界を描くという時点で、既に面白い事は確定しているわけだが、青森の片田舎から、単身上京した主…

四年生 / 五年生

「木尾士目」の鬱時代の代表的な作品であり、大学四年生という、大人でもあり子供でもある、就職、恋愛、将来の悩みと、様々なものに一気にぶつかる時期の大学生を丁寧に描いた傑作。 「四年生」の時点ではエンターテイメントとしての体裁をまだ保っているも…

エンジェル伝説

後にクレイモアという名作ファンタジーを産み出す作者「八木教広」の初期の学園ギャグ作品である。 天使のように純朴で優しい心を持つ転校生「北野誠一郎」が、その悪魔のような容姿から、周囲の人間からは凶悪人物と誤解され、学校一の不良に崇められていく…

ワッハマン

奇妙な日常を描かせると右に出るものはいないマンガ家「あさりよしとお」 1万年もの昔、敵を抹殺するために創られた人造人間ワッハマン。 不死の存在である彼は、しかしそのあまりに長い年月故に自分の敵や使命を忘れてしまっていた。 ギャグマンガに見せか…

レベルE

既に20年近く前の作品になりながら、今もって根強いファンを持つ本作。 幽遊白書で少年マンガの落としどころを見失った作者「冨樫義博」が、自身の欲望と趣味の全てをさらけ出した本作は、全3冊という短さとあいまって確かに、作者の最高傑作と呼ぶに相応…

筒井漫画涜本

筒井康隆の原作を様々な作者が漫画化した短編集。星新一作品の漫画化などはまだ読めるレベルなのだが、さらにナンセンスとブラックユーモアを進行させてしまった筒井作品となると、流石に混沌とし過ぎてしまう結果だった。加えて、「相原コージ」「吾妻ひで…

コンバット☆ハイスクール

非常に懐かしい「永野あかね」作品を物凄く久しぶりに読み返しての感想は、時代に合わなかった惜しい作品だった、という事である。 傭兵育成の特殊な高校という設定に巻き込まれ型の主人公と可愛い女の子キャラ。原案には、後にメタルギアシリーズに関連しく…

デカスロン

マニアックな作品を世に送り出し続ける作者「山田芳裕」が、日の目を見た作品。デカスロン=十種競技という誰も注目したことがなかった作品を描いて、ヒット作品を産み出したのだから、その点は凄い。また、主人公「風見万吉」のキャラクターを一貫してバカ…

ピンポン

「松本大洋」は、読むのが難しいパターンの作品が多いのだが、恐らく、最もエンターテイメントとして入りやすいのが本作「ピンポン」だろう。子供のころから卓球を愛するペコと、幼馴染のスマイル。歳を経るにつれて、徐々に変わっていく二人の関係と、その…

おまかせ! ピース電器店

サッカー領域専門のマンガ家という、ある種独特な立ち位置を確立した作者「能田達規」の初期にして、最長連載の作品である。現在の作者の作品創りを見る限り、本作を超える長期連載は恐らく今後ないだろう。主人公の「ピース健太郎」と父親の「ピース貫太郎…

A・Iが止まらない!

近年のハーレム系ラブコメかつ主人公が受け身という流れは、やはり「赤松健」から始まったのではないだろうか。そして、その根底が作者のデビュー作となった本作である。この作品の何が凄いかというと、「PCから自分の理想の美少女が出てきて取り柄がない自…

破壊王ノリタカ!

後に、数々の同系統の作品を描き続ける事になる作者「刃森尊」の最高傑作と言えばこれだろう。超貧弱な主人公「沢村典隆」が、蹴道部のスキンヘッドのコーチ「丸山」から、一見遊びにしか見えない謎のトレーニングを仕込まれていく事で、次々巻き込まれる学…

幽☆遊☆白書

「冨樫義博」の名前を広めた本作の発表からそろそろ約30年が経過してしまうというのだから恐ろしい。また、これほどのインパクトを残した作品の連載期間が1990年から1994年のたった4年間ほどだったというのだから、改めて考えても、お化け作品だったわけであ…

なぁゲームをやろうじゃないか!!

「桜玉吉」御大が、まだ精神を病みきっていない時代に書かれた謎のマンガである。 なぁゲームをやろうじゃないかのの頭文字をとって「なげやり」とつける辺りに、当時の御大の才能が光る。 ゲームのタイトルを全て不真面目に解釈し、全く関係のない無駄な話…

炎のニンジャマン

「島本和彦」90年代の迷作である。今でこそ有名マンガ家として活躍している作者だが、恐らくこの時代はマンガマニアは知っているが、一般大衆にはその名が知られていない不遇の時代だったと記憶している。そして、週刊少年サンデーを舞台に活躍していたのも…

ぶんぶんレジデンス

近代麻雀に連載された、爆笑麻雀マンガ。懐かしくて購入。 大学の学生寮「竹丸寮」に入った主人公「矢鴨」が、ひたすら麻雀で金をむしり取られる。 序盤は、竹丸寮のキャラの強さだけがウリで、あまり面白くない。 しかし、「特殊ルール麻雀」が始まってから…

少年の国

数少ない宗教マンガの傑作として、語られる事の多かった本作「少年の国」 宗教等少しも信じていなかった、不良少年「上杉」の存在を通して、読者は、人が宗教に染まっていく心理と狂気を体験できる仕掛けになっている。 作者「井浦秀夫」得意の冷静な視線と…

クローズ

週間少年チャンピオンの歴史に名を刻んだ、「高橋ヒロシ」の説明不要の有名作品。ただひたすら不良が喧嘩するだけのはずのマンガが、これだけ面白いのは、キャラクターの魅力によるところが大きい。特に、主人公「坊屋春道」の存在感は圧倒的で、どんな場面…

Q.E.D. 証明終了

Q.E.D.が完結作品と呼べるかは難しいが、このままではいつまでたってもレビューが書けないので、無印への評価として書く事に。ご存知の通り現在は、「iff」シリーズが継続している本作だが、無印のQ.E.D.自体は全50冊で完結している。ただし、50冊と言っても…