つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

総合4.0以上(殿堂入り)

風の谷のナウシカ

改めて読み返すと、偉大な作品だった。年齢を重ねれば重ねるほど、この作品の深さが伝わってくる。アニメに関しては、もはや説明不要の知名度を誇る本作だが、マンガ版が圧倒的な骨太さを持った大河浪漫である事を知らない人も多い。しかし、90年代にこれだ…

ポーの一族

(2012年評)少年マンガという括りで見ると、どの作者が一番か、という質問に答えるのは難しい。 手塚治虫亡き後、その問いはますます困難になりつつある。 しかし、少女マンガは違う。 色々なご意見があるだろうが、少女マンガの神様は現役だ。 私の中では間…

AKB49〜恋愛禁止条例〜

最初に断わっておくが、まったくもってAKBファンではない。 しかし、本作は近年の少年マンガの中でも、最高峰の一角ともいえるレベルで少年マンガだった。特にラスト間際は泣かされっぱなしだった。連載開始当初、マガジンで見かけた時は、よくあるアイド…

玄人のひとりごと

故 中島徹先生の遺作であり、長期にわたってビッグコミックオリジナルを支えてきた偉大な作品。人生の玄人を自称する主人公「南倍南」の、旅、グルメ、ギャンブル、麻雀等などの様々な日々を描くギャグ漫画。淡々と主人公の日常を描くタイプの作品なので、何…

タッチ

もはや説明不要。あだち充作品の中で最も成功したのが、この「タッチ」だろう。 以後、あだち充は何度か野球マンガに挑戦しているが、残念ながら本作を超えれたとは感じられない。 今読み返してみても、色あせない感動が残る傑作だ。 しかし、残念な点もある…

竹光侍

癖のある画風に、個性満点の世界観と、好き嫌いが二極化する「松本大洋」だが、登竜門としてオススメするなら、ピンポンも捨てがたいが、この作品をお勧めしたい。ある日、貧乏長屋に突然あらわれた不思議な侍、「瀬能宗一郎」と、その侍に興味を持つ少年「…

め組の大吾

本作は現時点までにおける曽田正人の最高傑作と言えるだろう。 およそこの作者以上に『天才』というジャンルに心奪われているマンガ家はいない。ゆえに、『天才』的な主人公をドラマチックに描かせれば日本一である。 個人的思想になるが、天才というのは何…

からくりサーカス

藤田和日郎と言えば「うしおととら」この定説は今も覆っていない。 確かに、うしおととらには無駄がなかった。作者の描きたいテーマが明確であり、物語としての完成度が高かった。名作である。 翻って、からくりサーカスには不評が多い。 作者自身もインタビ…

青空エール

吹奏楽部をテーマにした本作も全19冊で無事完結。高校デビューも別の意味で完成度の高い作品だったが、「河原和音」のマンガとしてはこれがベストではないだろうか。名門吹奏楽部に入部した初心者の主人公「小野 つばさ」がひたすらトランペットに打ち込むと…

アドルフに告ぐ

手塚治虫後期の代表作として、語られる本作。その称号に相応しい、重厚で緻密に設計された大人のためのファンタジー作品である。タイトルに描かれているように、物語の中心はアドルフ・ヒトラーのいた時代。この時代に運命を狂わされた、3人のドイツ人の物…

ピアノの森

当時、「一色まこと」がピアノマンガを始めた時には、違和感しかなかった。あの、躍動感あふれるキャラクターが命の作者が、クラシックピアノの作品をどのように描くつもりなのか。そんな無駄な心配をものともせず、クラシックピアノが全く似合わないやんち…

デビルマン

デビルマンを産み出していなければ、永井豪というマンガ家への評価は全く違ったものになっていただろう。 もちろん、人気作品を多数排出した一流マンガ家である事は理解している。けれども、 デビルマンだけは別格だ。 デビルマンはその主題歌等から、アニメ…

ご近所物語

(2012年評) 90年代から2000年代の少女漫画における代表的な作品。無論、ご存知の方も多いだろう。 以前、「天使なんかじゃない」のレビューの際にも記載したが、才能あるマンガ家は時代を読む力に長けている。そして「矢沢あい」が才能ある部類に入…

ムーたち

「榎本俊二」 下ネタオンパレード作品「えの素」でその名を轟かせた作者がその名声をさらに高めたのが本作だ。何しろ下ネタを一切禁じたうえで、ますます面白かったのだから天才としか評せない。 一言で言えば、この作品は恐らく日本で最も書評や感想が似合…

スローニン

青春作品の王者、「吉田聡」が描く大傑作。 著作の中では知名度は低いかもしれないが、個人的には1,2を争う名作と捉えている。 過去、甲子園決勝戦でエラーを犯したトラウマを引きずる浪人学生「ラッキュー」。 そんなラッキューの前に突如現れた謎の大男…

イタズラなKISS

90年代、いや少女マンガ界におけるラブコメディの大金字塔。作者「多田かおる」急逝のために 、未完となってしまった本作だが、それを差し置いても、全く問題がないほど本作は面白い。90年代少女マンガ界には、他にも非常に多くの名作が揃っていたが、「恋愛…

惑星のさみだれ

水上悟志の名を世に知らしめた出世作と言ってよいだろう。 「少年が大人になるってのはこういう事だ」 最終巻の帯にあったこの言葉が、このマンガを語る全てだ。 自分にとってのヒーローを求める主人公夕日は、突如巻き込まれた世界を賭けた闘いの中で、次第…

ギャラリーフェイク

鬼才細野不二彦が描く、唯一無二の美術マンガ。 贋作を扱う「ギャラリーフェイク」のオーナー藤田は、元メトロポリタン美術館のキュレーター(学芸員)。 真贋問わず世界の名品が集うアートギャラリー「ギャラリーフェイク」では、絵画、彫刻、陶芸、骨董品…

ピューと吹く!ジャガー

このマンガの評価は難しいところだが、マンガ好きとしては間違いなく最高レベルの評価を与えたい。 なぜなら、この作品がギャグ漫画だからだ。 そもそも、ギャグという神経を削って描く作品が20巻続くという事がどれほどの偉業なのか、そこが理解できなけ…

逆境ナイン

島本和彦から熱血を取り上げたら何も残らない。 そんな彼の作品郡の中でも、頭一つ飛びぬけておかしい作品が逆境ナインだろう。 映画化もされてしまったので、今では衆目の知るところとなった本作だが、その狂ったテンションはやはり今読んでなお斬新である…

ホーリーランド

数多ある格闘マンガの中で、お気に入りとして選んでしまうのが本作だろう。今までのどの格闘マンガよりも、本作が論理的に練られた作品である点を評価したい。まず主人公が引きこもりのいじめられっ子という点が良い。 自分のどうしようもない人生を忘れるた…

天使なんかじゃない

前回に続き、90年代『りぼん』作品からもう一つ。 この作品に関して言えることといえば、やはり作者「矢沢あい」の時代を読む感性の鋭さである。 本作「天使なんかじゃない」は、青春学園ラブコメの決定版的作品だ。少女漫画の中で比較した場合、本作以上…

カメレオン

どうしようもなく弱くて不細工で性欲だけが取り柄のダメ主人公が、ハッタリだけで不良世界の頂点までのし上がっていく。 この、当時誰もが描こうともしなかった圧倒的に斬新で面白い設定が、良くも悪くも加瀬あつしというマンガ家の人生を縛ってしまった。以…

ハチミツとクローバー

駆け出しの新人作家には決して書けない作品を作る、それが羽海野チカの持ち味だろう。 美術学校に通う学生たちの生活を、全体的に軽いコメディとして仕上げているが、全体を通して描きたいテーマは明らかに重たい。 その二面性のギャップが、物語に深みを加…

死神くん

人の魂を管理する死神。 本来であれば、冷酷に人間の寿命を司る存在であるべき死神が、もし非常に人間味あふれるキャラクターだったとしたら? そんな設定のもとに描かれた数々のヒューマンドラマは、今なお色褪せることなき名作である。個人的には人生ラー…

魔法使いの娘

「那州雪絵」健在なり。そう思わざるを得ない傑作。 往年のマンガ読みならば那州雪絵の名前を聞いて浮かぶのは名作「ここはグリーンウッド」であろう。 しかし、かの名作を輩出して以来、彼女の名前を久しく聞かなかったのも事実である。 そこにきて、本作の…

天才ファミリー・カンパニー

実は「のだめカンタービレ 」よりも面白い、と個人的には考えている二ノ宮知子の大傑作。 父親を亡くした事がきっかけで、子供のころから母親と一緒にビジネス三昧の主人公夏木は、ハーバード留学を目指す天才高校生。 だが、ふとしたきっかけで現れた母親の…

西洋骨董洋菓子店

作者よしながふみの「美味しいもの好きの才能」と「キャラクターの心理を掘り下げる才能」がいかんなく発揮されている本作。 短い巻数ながらも物語全体に無駄がなく、濃いキャラクターがそろう洋菓子店の日常を楽しく描いている。そんな中、オーナーがなぜ洋…

銀と金

「福本伸行最高傑作」この作品の紹介は一言で言えばこれだ。 「天」「アカギ」「カイジ」と次々とヒット作を残す作者だが、面白さの密度からいくと残念ながらこの作品の足元にも及ばない。 無論、この作品にも弱点はある。一つは不幸にも、未完の作品だとい…