つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

総合3.5以上(オススメの名作)

ナガサレール イエタテール

近年、最も注目に値する新人マンガ家を問われれば、本作の作者「ニコ・ニコルソン」と答えたい。 まだ「ストーリー漫画」を目指すのか「エッセイ系マンガ」でいくのかはわからないが、エッセイ系では十分に一流の仲間入りができるレベルだ。 本作は、東北大…

いつもポケットにショパン

ベテラン「くらもちふさこ」による往年の名作であり、主人公「麻子」と幼馴染の「季晋」のピアノと青春を描いた本作。長期間にわたって読者から評価される作品が必ず持ち合わせているものとして主人公の魅力というものがある。不器用で母親との関係が上手く…

ママゴト

やはり「松田洋子」作品は良い。人間の持つ泥臭さの表現の幅が、並のマンガ家と一線を画している。 風俗店時代に授かった最愛の子供を自分の不注意で死なせてしまった映子。 その事件以降、子供と向き合えない人生を送っていた彼女が、友人の子供を預からな…

モリのアサガオ

マンガ文化の幅広さを感じさせる作品は多々あるわけだが、マンガが大人にとっても娯楽たりえると感じさせてくれる極めて深い作品である。タイトルの由来は、死刑囚を収監する刑務所=暗い森と、朝に突然呼び出され昼前には処刑される死刑囚=アサガオの二つ…

包丁人味平

あまりに懐かしい本作を古本屋で発見して、久しぶりに読了。やはり、この時代は「牛次郎」と「ビッグ錠」コンビの黄金時代だ。 70年代少年マンガの魅力のほとんどが、この辺りの作品に詰まっていると断言したい。 まだマンガにリアリティが全く求められてい…

A-BOUT!

A-BOUT!に関して書くとすれば、マガジン編集部が本当に勿体ないことをした、という一言に尽きる。 本作は、連載当初こそ勢いだけのバカヤンキーマンガだと思われていたが、そのバカさ加減こそ、喧嘩ヤンキーマンガの命だという事がわかる大傑作だった。特に…

リトル・フォレスト

東北地方のとある村の中の、小さな集落「小森」そこで暮らす主人公「いち子」 大自然の中で描かれる四季の暮らしと、美味しそうな食生活。 全てが便利ではないと頭では分かっていても、都会の人が憧れてしまう田舎暮らしを、自然マンガの天才「五十嵐大介」…

北斗の拳

少年ジャンプの文化が良いほうにも悪いほうにも混ざり合った、「武論尊」と「原哲夫」コンビの稀有な傑作。核戦争後の世紀末に、無残に敵を殺す北斗神拳という今見返しても通用する斬新な設定と、ジャンプ王道のバトル展開と爽快感。 ここで終われば不朽の名…

B.B.joker

圧倒的に斬新でくだらないダジャレを、何とも可愛らしい絵柄で展開したある意味伝説的な4コマ作品。最初読んだ時、少女マンガ出身のギャグ4コマで、こんなスゴイ才能があり得るのかと心底驚かされた作者「にざかな」だが、原作のどうしようもないネタを書く…

座敷女

その独特の絵柄と作風で、異端のポジションにいる作者「望月峯太郎」そんな氏の作品群の中でも、異彩を放っているのが本作だろう。 夜中に部屋を訪ねるドアのノックの音がして、ドアをあけると、紙袋を持った大女が立っていて。。。 それまで多くの作品がわ…

マドモアゼル モーツァルト

もはや書籍版は新品では購入できないかもしれない。ただ、隠れた名作だ。 天才音楽家モーツァルトが、実は女性だったという大胆な設定を舞台に物語は展開するが、モーツァルトの奔放な精神、作曲群と、サリエリとの愛憎ともいえる関係性がこの設定故にリアル…

脂肪という名の服を着て 完全版

これこそ、「安野モヨコ」と呼ぶべき「安野モヨコにしか描けない作品。太っていて気が弱いOL「花沢のこ」は、食べている間だけ、シビアな現実を忘れられる日々。それでも、徐々に日常は壊れ始め、ついに彼女はやせる事を決意する。やせられれば、やせさえす…

アタックNo.1

レビュー作品もついに500作品。せっかくなので少しレジェンド的作品をという事で、「浦野千賀子」が一時代を築いたアタックNo.1を選んでみる事にした。本ブログでは70年代作品にカテゴリーしているが、連載開始は68年で70年には連載終了という事で、60年代と…

strawberry shortcakes

「魚喃キリコ」の代表作と呼ばれる本作だが、個人的にもこの作品を推したい。女性の持つ内面世界を、4人の登場人物を通して、これでもかというほど繊細に美しく表現した本作。基本、ショートストーリーの連作ではあるが、少しずつ時間軸が動く中で、変わって…

サルチネス

久しぶりに「古谷実」に泣かされた。 一世を風靡した「稲中」以来、創作を模索してきた作者。 「ヒミヅ」以降は、ひたすら人生からの問いかけを哲学する事が課題となり、エンターテイメントとしてのマンガは、置き去りになっている感もあった。 しかし、本作…

僕たちがやりました

ここ最近、連載マンガの中で最も続きが気になった作品。それが本作「僕たちがやりました」である。高校生のバカバカしい日常を描いたギャグ作品かと思わせる序盤と、誤って学校爆破事件を引き起こしてしまってからの、古谷実ばりの鬱展開のギャップで、圧倒…

魔法使いの娘ニ非ズ

十数年前に始まった、天才「那州雪絵」の復活を感じさせた魔法使いの娘シリーズも、ついに最終7巻で完結してしまった。この十数年、オカルト系作品としては、最高峰の面白さを保ちながら、毎年1冊程度の単行本を楽しませて頂いたものである。そんな作品の続…

カリフォルニア物語

異端の才能と呼ぶに相応しい「吉田秋生」の存在を世に知らしめたデビュー作。当時別世界を描かせたら右に出るものはいなかった「萩尾望都」の影響を強く受けて、序盤の世界描写は非常に酷似している側面があるが、徐々に作者自身の異端の作風が発揮されてい…

洗礼

加齢とともに美しさを失っていく恐怖に耐えかねた女優が、若さと美貌を取り戻す事だけを目的に、娘を産み、そして自分の娘と脳移植をするという伝説的な作品。 一度読んだら決して忘れられないこの設定は、マンガ黎明期にのみ許された特権であり、このインパ…

四谷区花園町

最近では、「ニュクスの角灯」が話題になったが、今、個人的に最も注目している作者がこの作者「高浜寛」である。 戦前の風俗ライターという珍しい設定の主人公を中心に描かれる本作だが、掲載雑誌の作風に合わせて描かれたエロ系の導入から始まって、徐々に…

背すじをピンと!

全10冊近年のジャンプ作品ではこれ以上ないほど身の丈をわきまえた綺麗な終わり方の作品だった。作者「横田卓馬」は、元々WEB系マンガで名をはせていた人物であり、いつプロデビューするのかと期待されていたが、ジャンプデビューが噂されてから数年は、…

ライチ☆光クラブ

カルト系として人気を博する作者「古屋兎丸」が、若き日に影響を受けた劇団「東京グランギニョル」による講演を、紙の上に再現した傑作。 多感な時期に見た作品の感激というものは、心の中には残っていても、外に出すことは難しい。そんな凡人の壁を乗り越え…

楽屋裏

ひたすら締め切りを破る作者「魔神ぐり子」とお面の担当「小柳」の苦悩の日々を描いた4コマ漫画。 まさに「楽屋裏」のタイトルに相応しく、様々な言い訳で締め切りを破る作者と、罵詈雑言で攻め立てる担当「小柳」のやり取りは最早漫才であり、完全にマンガ…

グッデイ

面白いの一言に尽きる。 短編の名手「須藤真澄」が、一段の上のレベルに達したと思わされる本作。 人が亡くなる前日に、体が真ん丸の球体に見える現象「玉迎え」この「玉迎え」という設定が、物語的にも、マンガ表現的にも非常に秀逸で、「石坂啓」の「I'm h…

ゆうれい談

大御所「山岸涼子」の描く、実話を元にした幽霊話である。山岸プロの元に集まるマンガ家達が持ち寄った、様々なゆうれい談を実話化した作品で、本格的な恐怖系の作品ではないが、実話と考えると、妙に背筋が寒くなる作品。しかし、それにしても登場する人物…

第七女子会彷徨

藤子作品が持つSF=少し不思議な世界に魅了された、作者「つばな」が描く、日常SF作品。「高木さん」と「金やん」の二人の女子高生主人公を描いた本作の不幸は、同世代の天才「石黒正数」の描く「それ町」と同じ時代に産まれてしまったことだろうか。 星新一…

I【アイ】

(2013年評)「いがらしみきお」渾身の異色作がついに完結した。 全3冊。 残念ながら、この作品のレビューはおいそれとは書けない。 雅彦とイサオの神様を探す旅。 もはや哲学なの狂気なのか、その境目が正直わからない。 ただ、人間が生きている間に、一人…

いいひと

「高橋しん」の出世作。 スポーツメーカーの「ライテックス」に就職を希望する主人公の「北野優二」。 彼の特徴は「いいひと」であること。そして、現実のサラリーマン社会ではこの特徴が周囲とのギャップを見せることになり。。。 どこまで計算されて作った…

天上の弦

山本おさむ得意の、半フィクション半伝記系作品。 東洋のストラディバリと呼ばれた伝説のバイオリン製作者の凄まじい半生を描いた名作。 無名の主人公が、夢も希望もない人生から立ち上がり、たった一人でバイオリン製作という魔物と戦い続ける姿は圧巻。 や…

ヒーローズ・カムバック

(2013年評)これはやはり素晴らしいの一言。 細野不二彦の企画のもと、小学館系の歴代のマンガヒーローが、東北復興支援プロジェクトとして復活した作品。 ギャラリーフェイク究極超人あーる伝染るんですサイボーグ009(島本和彦)うしおととら犬夜叉銀…