つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

総合3.5以上(オススメの名作)

大東京ビンボー生活マニュアル

近年名作が生まれない、けれども必ず蘇ると思われるジャンル。それが、この貧乏生活ジャンルである。 四畳半のぼろアパートで、何をするわけでもなく、何があるわけでもなく。 ただひたすらに、無為な時間と、少しだけこだわりのある生活がつづく。 お金の観…

自虐の詩

多くのマンガ読みが、侮って読み始めて、そして必ず泣かされる作品。ちゃぶ台返しばかりする亭主関白のイサオ。 そんなイサオに甲斐甲斐しくつくす嫁の幸江。 そんなどうしようもない日々がただただ続く上巻と、読み始めると最後まで読まずにはいられない怒…

男の華園 A10大学男子新体操部

桑田作品最終夜 長らく続いた桑田作品シリーズもしばらくお休みとする。 さて、全ての桑田作品の中で、どれが最高かと問われればやはり本作を挙げない訳にはいかない。 桑田作品中、最も気弱な主人公「麻生」。 小説が好きで大学に入ったら思いっきり小説を…

豪放ライラック

桑田作品第四夜 時間軸的には、桑田作品の中でも、新しい時代。 また2012年時点での桑田作品の最長連載は、本作と「888」の全6冊である。 デビューから25年近くが経過し、あまり途切れることなく作品を作っているはずだが、6冊が最長連載。 さす…

卓球戦隊ぴんぽん5

桑田作品第三夜 タイトルからしてすでに卓球を真面目に描く気がない事が判明してしまうコメディ作品。 主人公「紅裕次郎」は、スポーツセンスの塊のような男。 しかし、なぜか卓球だけはどうやっても下手。とことん下手。 そんな裕次郎に無理やり部活に誘わ…

おそろしくて言えない

桑田作品第二夜 「桑田乃梨子」の名が、通りはじめた最初の作品が本作ではないだろうか。 心霊現象お手の物の主人公「御堂」と憑依体質だが絶対に霊を信じない「新名」 そんな二人のコンビの学園生活を描く心霊コメディ作品。 中盤で二重人格ヒロインの「御…

げんしけん 2代目

昨日に続き、げんしけん10巻から21巻までで展開される二代目の物語だが、やはりファーストに比べると、何とも評価が難しい。どうしても二代目は、煮詰まっている感じが高すぎて、「げんしけん」が得意としていた、エンターテイメントの要素が弱い。 あれ…

ギャンブル王子 嵐

故「中島徹」先生といえばギャグ漫画の大御所であり、代表作はやはり「玄人のひとりごと」だろう。しかし、個人的にはこの「ギャンブル王子 嵐」を最高傑作に置きたい。 日本の中学に転校してきた「英国のギャンブル王子」その名の通り、毎日毎日ひたすらギ…

あまいぞ!男吾

「Moo.念平」の唯一無二の、そしてコロコロコミックの歴史に残る少年マンガ。 それが、「あまいぞ!男吾」だろう。 オークション等でプレミアがついた存在としても有名な作品かもしれない。 低学年少年マンガというジャンルは非常に難しい存在だ。 小学…

サイコドクター

人の心の病巣を描いた傑作。 カウンセラー楷恭介の元には、様々な心の病気を抱えた患者が訪れ、サスペンス色を含みながら物語は展開する。 マンガ的な演出が過剰ではあるが、心理学を学んでいるわけではないので、娯楽作品としてはこの方向で正解だっただろ…

山賊ダイアリー

いつものように発売即日購入して、いつものように楽しんでいたら、どうも趣が少し違う。特に巻末付近の雰囲気が切なく、山賊ダイアリーに相応しくないまさかの見開き。はい、間違いありません、最終巻でした。物凄く好きなシリーズだっただけに、非常に衝撃…

GS美神 極楽大作戦!!

連載開始から25周年という事で、文庫版が刊行されている時の流れに驚きを禁じ得ない。90年代序盤に颯爽と登場した、言わずと知れた「椎名高志」の大出世作。 バブルの世相をよく反映した主人公美神と、ゴーストスイーパーという舞台は見事な組み合わせだっ…

幻覚ピカソ

「古屋兎丸」の天才的な画力に裏付けられた作品。それが本作である。 主人公ピカソは絵を描くのが大好きな高校生。 そして、そんな彼に唯一声をかけてくれるヒロイン千晶。 しかし、ある不慮の事故で、彼女は死んでしまう。 その日を境に、ピカソは人の心の…

ミスター味っ子

「寺沢大介」の路線を決定付けた作品。 当時いくつかあった料理マンガの中でも、本作が流行したのはやはり、「天才少年料理人」という主人公味吉陽一のキャラクター設定だったのだろう。 また、それまでの奇抜な料理手法を得意とする料理マンガ群よりも、少…

バオー来訪者

巻末の夢枕獏のコメントがすべてだ。 この作品の圧倒的な説得力は、「荒木飛呂彦」の絵に他ならない。 これだけオリジナリティにあふれる作品を作り出せる作者はそうはない。 組織に改造された、主人公バオーと、超能力少女スミレ。 全2冊の短い物語ではあ…

綿の国星

「大島弓子」の定番の作品。 主人公の「チビ猫」は、可愛い子猫。けれども、その容姿は、マンガの世界では少女の姿をしており、彼女の視点を通して、世界は物語られる。 最初に読んだときは、「我輩は猫である」かと思ってしまった。 けれども、よくよく読ん…

JIN―仁―

幕末の時代にタイムスリップする、現代の脳外科医、南方仁。 現代の医学の知識と江戸の病を描いた本作は、まさに設定の妙が光る作品だ。 医者モノと、幕末モノはどちらも沢山の作品があるがそれが組み合わさると、前後に類がない作品になるのだから、まだま…

正直侮っていたのが、この「岳」という作品だ。 山マンガの最高峰はやはり「神々の山麓」である。そこは譲れない。 それに比べると、この「岳」というマンガは、どうも軽い気がした。 特に、超人的な主人公「三歩」の存在が、山というものの偉大さ、恐ろしさ…

ナンバMG5 ナンバデッドエンド

チャンピオンの常連「小沢としお」といえば、やはり「フジケン」だが、本作も相当面白い。 筋金入りのヤンキー一家に生まれて、関東制覇した兄貴のように、全国制覇を両親から期待される主人公「剛」。 けれども、彼は中学のころから、ケンカばかりに明け暮…

炎の転校生

今なお昔と同じテンションを保ち続ける、炎のマンガ家「島本和彦」の衝撃のデビュー作。マンガ家が持つオリジナリティはそのデビュー作に色濃く顕れると考えているわけだが、これほど顕著な例も珍しい。タイトルに恥じず、ひたすら転校を繰り返す主人公と裏…

虹色とうがらし

あだち充作品は、確かにどれも似たような顔と似たようなキャラクターである。 特にタッチ以後は、長期連載はあっても大傑作はつかめていないのが実情だ。 しかし、ひとつだけ推しておきたい作品がある。それが本作虹色とうがらしだ。 日本の江戸時代に似た、…

神聖モテモテ王国

サンデーと言えば、週刊少年誌で最も優等生な作風である。 それ故に、異端の作品は少なく、全体的にこじんまりとした作風が集う欠点を持つ。 そんな連載陣の中で圧倒的な異端児ぶりを見せつけ、サンデー史にその名を残したのが本作である。 漫画家達の間でも…

87CLOCKERS

「のだめカンタービレ 」で売れたからとはいえ、ここまでマニアックな企画が通るものなのか。のだめ以前の「二ノ宮知子」であれば、明らかに描かせてもらえなかったであろう作品。大御所の力恐るべしである。 テーマは「オーバークロック」 意味がわからない…

笑う大天使

定番の名作である。 少女マンガ家は数多いれど、「川原泉」に取って代われる人材はまずいない。 面白さという意味では、他にもオススメできる作品は数多あるが、個性という意味でこのマンガ家を超える存在は稀有である。 さすが教授。 作中に展開される幅広…

遥かな町へ

画力でしか表現できないマンガもある。そんな事を感じさせてくれる数少ないマンガ家それが、「谷口ジロー」だ。 「神々の山麓」では、その圧倒的な描写力から、登山の世界を描き出し、「孤独のグルメ 」では、サラリーマンの何気ない日常をこれ以上ないほど…

未来日記

未来が見える12人の日記所有者による、世界を賭けたバトルロワイヤル。 マンガとはいえ、登場人物が次々と死ぬ描写が続出するので、その手の話が苦手な方は避けたほうが無難だろう。 ただ、良くも悪くもそこまでリアル系の画力がある作者ではないので、マ…

アイシールド21

連載初期にこれほど期待させられたジャンプマンガも近年なかった。 それほどまでに、傑作の予感を感じさせた本作も終わってみればただの凡作だったのが、返す返すも悔やまれる。 作画の成長に対して、原作者の力量が追いつかなかったのが敗因の一つだろう。…

ガンバ!Fly high

オリンピックシーズンだったので。数少ない体操マンガ。その中でも有名作品といえばやはり本作だろう。 主人公藤巻は、逆上がりもできないような素人。しかし、次第にその才能を開花し物語の舞台はオリンピックにまで広がっていく。 まさに王道少年マンガ。…

喰いしん坊!

大食いといえば、やはりこの作品である。 作者「土山しげる」の作品で挙げれば食キングも名作だったが大食いと絵の濃さが非常にマッチしている本作を是非オススメしたい。 プロのフードファイターという、バカバカしい設定もこの絵にかかれば途端にシリアス…

あずまんが大王

萌え系4コマの走りであり、説明不要の有名作品。 「あずまんが大王以前と以後」と呼ばれるだけの事はあり、本作の登場を受けて、4コマ作品の方向性は確実に変わった。 いわゆる女子学生の日常を外から眺めて楽しむ、「らき☆すた」や「けいおん」といった作…

宇宙賃貸サルガッ荘

変ゼミのTAGRO氏による初期の大傑作。 迷い込んだら二度と出られないと言われる、魔の宇宙空間サルガッソー 戦争の爆撃が原因でサルガッソーに迷い込んでしまった主人公が見たものは、超小惑星に建てられた、木造モルタル2階建ての、賃貸住宅サルガッ…

湘南純愛組!

週刊少年マガジン史上においても、その知名度において上位に君臨するキャラクターは、やはり、本作の主人公「鬼塚英吉」ではないだろうか。 当時のマガジンにおける、「カメレオン 」や「特攻の拓」など、ヤンキー系作品の中でも一際目立つ、「面白さ」と「…

すすきのみみずく

「正義の味方」の聖千秋が描く青春ドラマ。 受験戦争や家庭の事情に押し潰される日々を送る主人公の女子高生「望江」 同じように失意の日々を送る高校生五人が、たまたま乗り合わせた電車で見つけた、自然の世界「みみずくの里」へのチラシ。 気がつけば五人…

地球を呑む

やはり、並の作品は描かない巨匠である。本作も壮絶に実験的な作品となっている。自身の悲劇的な人生から、娘達に遺言を残す母親。 金を滅ぼし、法律・規律を滅ぼし、男を滅ぼす。 この約束を胸に、娘達は、世界を滅ぼす為の活動を続ける。そのための手段、…

東京ラブストーリー

まさに、一世を風靡したという表現が相応しい、「柴門ふみ」の出世作。今でこそ発表する作品の量や質から、作者の知名度も随分落ちてしまったが、この時代における著者の存在感は圧倒的であり、まさに「時代と寝た」稀有なマンガ家の一人であった。「東京」…

いぬまるだしっ!

(2012年評)まさか、この作品がここまで大物に成長するとは。週刊少年ジャンプ愛読者にとって、近年まれに見る嬉しい誤算だった。 ジャンプには、代原等の都合で偶然載ってしまうレベルのギャグマンガ家が多数存在する。 そんなマンガ家の一人だった「大石浩…

エビアンワンダー

(2012年評)久しぶりに良質な短編ファンタジー作品を堪能させていただいた。さすがに、おがきちか、「Landreaall」で冴え渡る手腕は伊達ではない。 悪魔と契約し願いを叶えてもらう代わりに、悪人を殺すことでその魂を地獄に送る主人公フレデリカ。 フレデリ…

G戦場ヘヴンズドア

今でこそ確固たる地位を確立した「日本橋ヨヲコ」だが、デビュー当初は打ち切りの続く不遇な作者であった。そんな彼女が、初めて大団円までを描き切った、とことん熱い、マンガをテーマにした作品。エンターテイメントとしての面白さでは、後発の「少女ファ…

王様の仕立屋

イタリア・ナポリに住む日本人職人「織部悠」かつてミケランジェロと称された伝説の仕立て職人が、唯一認めた弟子。 イタリア服飾の様々な技巧をもとに、依頼人の難解な問題を解決し、仕立てと共に依頼人の人生の悩みも解決する。 端的に説明してしまえば、…

蟲師

(2012年評)一風変わった和風奇譚が読まれたい方には、やはりこの蟲師をお勧めする。蟲といっても、昆虫ではなく、妖怪や精霊の類を、作者独自の観点で、「蟲」という存在に創り上げたものだ。 本作の素晴らしさは、その画風とオリジナリティの高さだろう。…

名門!第三野球部

約20年前に連載終了した本作を作者むつ利之は未だに超えられそうにない。 試合に出れない野球部の落ちこぼれ集団二軍以下の三軍。 それが第三野球部。 そんな三軍の選手たちが、努力だけを武器に次第に勝ち上がっていく物語。 友情・努力・勝利 それこそジャ…

彼氏彼女の事情

アニメ化も果たした有名作品だが、それ以上に、原作も冒険的で面白い。 ラブコメ的な雰囲気と飄々としたタイトルに騙されやすいが、最初の数冊を読めば、そのコマ割りやストーリー構成等、フツウの少女漫画を狙っていないことがすぐにわかる意欲的な作品であ…

ホタルノヒカリ

(2012年評) ドラマ化も果たした説明不要の有名作品。いわゆる「干物女」の物語である。無論、「干物女」という名称は素晴らしかったが、内容もキャッチフレーズに負けない大変面白い作品だった。 コメディテンポの良さと、20代後半の女性主人公という、あ…

東京命日

熱狂的なファンを持ち、独自路線を貫く「島田虎之介」そんなシマトラ作品の中でも、最も評価が高いのが本作だろう。小津安二郎の命日に集まる、様々な人間達のドラマを、作者得意の、時間軸と構成を織り交ぜた展開で描いた作品である。よくもまぁ、これだけ…

吉祥天女

吉田秋生は、「あきみ」ではなく「あきお」だと長い間誤解していた。 しかし、それも無理はないと思う。なにせ、作品が、「カリフォルニア物語」や「BANANA FISH」そして本作「吉祥天女」だ。 どう考えても当時の少女マンガの枠に収まっていない。この手の「…

D-ASH(ダッシュ)

(2012年評)秋重学と北沢未也のコンビが本作でデビューしたときは衝撃だった。 小学校のクラスで一番足の速い男の子「飯塚司」と、交通事故で片足が動かなくなった女の子「前田紗英」。お互いに惹かれあう二人は、出会い、そしてすぐ長い別れを味わうことに…

スピリットサークル

スピリットサークルも全6冊でついに完結である。「水上悟志」お得意のファンタジーに、輪廻転生というテーマを加えた不思議な作品。主人公が7つの人生を渡りあるくというそのあまりの構成の難しさから、なかなか連載で追うのは困難な作品だったが、無事完結…

ゴールデンライラック

表題作「ゴールデンライラック」は、萩尾望都作品の中でも、地味の雰囲気の作品だろう。 しかし、この地味さが、人生の渋みを感じさせて非常に良い。 ライラックの茂みの中で出会った、ヴィクトーリアとビリーの二人の小さな恋人は、その後、様々な人生の波…

キスより簡単

(2012年評)石坂啓は、これだけ面白いマンガが作れるのに、どうしてマンガ家を廃業しているのだろうか。 そんな無念を感じずにはいられない。 本作は、女性から見た恋愛、SEX、結婚といった大きな問題に対して正面から闘っている大傑作だ。 主人公「まあこ」…

ジナス―ZENITH―

吉田聡が描く異色の傑作。 死者を6日間だけ生き返らせる「物体」と蘇った死者を殺す、銀色の殺し屋。 およそ他に類を見ない壮大なストーリー構成は、プロット協力ビッグ・オー(長崎尚志)の影響が大きいのかもしれない。 ただ、個人的には浦沢・長崎作品は…