つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

総合3.5以上(オススメの名作)

ちーちゃんはちょっと足りない

「阿部共実」お得意のブラックユーモア作品。デビュー作の頃から変わらず、この手の気持ち悪い不安感を描くのが相変わらず得意な作者である。 ちなみにこの作品自体はレビューそのものが、若干ネタバレになってしまうので、阿部作品未読の方は、読まずにまず…

邪眼は月輪に飛ぶ

短編作品としては最高峰の絶賛を受ける、「藤田和日郎」の傑作。見られたら死ぬ、という圧倒的な力の梟「ミネルヴァ」と、それを追う狩人の物語。 スピーディーな展開と藤田作品特有の迫力あるアクションが混ざり、気が付けば、最後まで読んでしまう短編傑作…

CLAYMORE

13年は長い時間だったが、稀代のダークファンタジー作品の素晴らしいラストに脱帽。 あの「エンジェル伝説」の「八木教広」が、女性だけをメインキャラクターに、バトルファンタジー作品を描き始めたと聞いた時は、正直、少しも期待できなかった。 事実、連…

きまぐれオレンジ☆ロード

作者「まつもと泉」の最高傑作。80年代に颯爽と登場した本作が、その後のジャンプにおけるラブコメの路線を定着させたと言っても過言ではない。主人公「春日恭介」の優柔不断さといい、ヒロイン二人のキャラクター描写といい、改めて読み返すとその後のラブ…

タケヲちゃん物怪録

良い作品だった。作者がのびのびと描いている事が伝わってくる、非常に良い作品だった。 「とよ田みのる」作品は当然ながらその絵が持ち味であり、良くも悪くもジャンルと作風を限定させてしまう。 その中で、そろそろネタ切れかな、と思っていた時期に発表…

銀河鉄道999

作品名は圧倒的に有名だが、既に発表から30年近く経過している事を考えると原作未読の方も多いのではないだろうか。イメージとして良く知られている機械の身体を求めてメーテルと旅する星野鉄郎の物語は、どちらかというと本当の主題ではなく、銀河鉄道999の…

福家堂本舗

人間描写が上手い作者「遊知やよみ」の代表作。京都に450年続く老舗の和菓子屋福家堂。お店を継ぐと思われているしっかり者の長女「雛」。放蕩三昧にすごすが、実は一番お菓子に愛着がある次女の「あられ」。そしてのびのびと育っている三女の「ハナ」。三姉…

ディアスポリス 異邦警察

異端の画力「すぎむらしんいち」と、思わせぶりの原作「リチャード・ウー」のコンビによる異色の物語。日本に不法滞在する外国人と、その人権を守る裏都庁。そして裏都庁の警察署長を務める、主人公「久保塚早紀」。設定の面白さは圧倒的で、さすがに毎週の…

かってに改蔵

異端のギャグマンガ家「久米田康治」が、そのスタンスを完全に確立させたという意味でも、デビュー誌を去ることになったという意味でも、色々と記念碑的な作品。毎回、常人には思いつかない謎のテーマを掲げて、特異な時事ネタを展開する、そのギャグマンガ…

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン

カルトジャンルの作品をあげていけば、必ずその名前が挙がる作品であり、作者「新井英樹」の最高傑作ともいえる本作。世紀末の時代の世相に相応しいテロリストと、山の神ともいえる存在「ヒグマドン」の邂逅。単なる恐怖の描写だけを描いた作品というよりは…

羣青

作者「中村珍」の代表作である。女性二人による、殺人からの逃走劇を全3冊で描いた本作は、同性愛者としてカミングアウトしている作者ならではの視点や思想に満ちており、読者に圧倒的な熱量で迫ってくる。正直、面白い面白くない以前に思考を強制されるので…

金の国 水の国

久しぶりに改めて読み返したが、やはり「岩本ナオ」は素晴らしい才能である。新作「マロニエ王国と七人の騎士」には、まだ手が出せていないが、こちらも傑作になるのだろうか。ちなみに作品自体の感想は、以前書いたので、こちら。 mangadake.hatenablog.jp …

パレス・メイヂ

架空の日本の明治時代を描いた、身分違いの近代宮廷恋愛絵巻もついに完結である。「暴れん坊本屋さん」の「久世番子」に、まさかこんなマンガが描けるとは、正直、驚かされた。しかし、その世界観や設定の奥深さからは、様々な資料を調査したであろう事が伺…

デストロイ アンド レボリューション

「森恒二」続きである。家族の不幸により社会的弱者の地位に追い詰められ、日々を地味に生き抜いている高校生「田中マコト」。そして、彼と対極的に華やかな高校生活を送っているが、心の中では世界に対する様々な怒りを持ち続けるもう一人の主人公「ユウキ…

弁護士のくず 第二審

その圧倒的に存在感のある主人公で、ドラマ化も果たした異色の弁護士作品もついに完結。 ちなみに本作品自体が、現実の請求差し止め問題に巻き込まれた事によってか、本作は無印10冊と第二審の11冊が刊行されている。 最も全21冊の中で、本当に傑作だった部…

放浪息子

志村貴子の最長編作品「放浪息子」 これだけの長編なので、今までの志村作品とは何か違うかと思えるが、やっぱりあまり変わらない。 ただ、相変わらず圧倒的に色気があり魅力のある作画である。 本ブログでも何度も天才と評している通り、この作者の場合、や…

いちえふ

やはりマンガ読みとして「いちえふ」はオススメしておきたい。 福島原発内部に潜入し、内部の労働事情を描いた本作は、マンガとしてもそこそこ面白い。ただ、それよりもやはりこのテーマが連載されて、単行本になっているというマンガ業界の懐の広さに感動す…

魁!!男塾

80年代ジャンプ読者には、もはや説明不要で、未だに語り継がれる圧倒的なバトルギャグマンガ。それが本作「魁!!男塾」である。今の時代に、この勢いだけの作品をジャンプで連載させると、一体どんな反響があるのかと考えさせられてしまう。それぐらい荒唐無…

予告犯

非常に面白い作品だ。インターネット動画投稿サイトで、社会悪に対して制裁を加えるテロリスト「シンブンシ」の登場から物語は始まる。そして、徐々にネット社会を味方につけていく「シンブンシ」と、対警察との頭脳戦を描いた秀逸なサスペンス。基本的に昨…

薫の秘話

カルト系作品の話になれば、必ず取り上げられる作品の一つが本作「薫の秘話」である。 そもそも、ハゲ、デブ、チビ、マザコンに、ホモでニートの主人公なんて、マンガ史上二度と登場しないだろう。 そんなマイノリティー主人公が、社会を口先三寸で笑い飛ば…

天地明察

原作者「冲方丁」の有名時代小説をコミカライズした作品。 日本の暦を作成した男「渋川春海」の生涯を描いた物語で、江戸時代の生活を作画担当の「槇えびし」が非常に魅力的に画力で描いている。 城の碁打ちとして退屈な日々を過ごす主人公が、算術を競い合…

AQUA / ARIA

作者「天野こずえ」を一躍有名にした代表作。水の惑星「AQUA」の街を案内する、水先案内人=ウンディーネの主人公を描いたファンタジー作品。 萌え系の画風やキャラクターの作品が苦手なのだが、本作の持つ独特の世界観と、ゆったりとした物語は確かに高いオ…

描かないマンガ家

初期の頃しか連載を読んでいなかったので、全7冊通しで読んでみたら、恐れ入った。 ギャグ漫画の「みたむらくん」のイメージしかなかった作者「えりちん」だが、こんなに面白いストーリー漫画を書けるとは。 口先ばかりで、何があっても絶対にマンガを描かな…

不安の立像

あとがきには、あまり怖くない作品を集めた、と書かれているが正直、「諸星大二郎」作品で怖くないものはあまりない。 特に、人間の得体のしれない感情を、メタ化して作品に落とす業がすさまじく、本作収録の「不安の立像」「子供の遊び」辺りが白眉である。…

こどもの体温/彼は花園で夢を見る

珠玉の短編である。 「よしながふみ」が一流処に名を連ねてから随分たつが、この文庫版に収録されている作品を描いていたころは、まだまだマイナー作家だった。 しかし、その時代から、この作者は変わらず、面白い作品を描き続けている。これは、実にスゴイ…

Y氏の隣人

作者「吉田ひろゆき」が現在も作品を発表しているか微妙なところだが、この作品のインパクトは強かった。一話完結のショートストーリーで、人間の欲望やエゴに対して、それを叶えてくれる不思議な道具を渡す幸福の伝道師ザビエール。無論、その道具が必ずし…

怪盗ルパン伝 アバンチュリエ

作者「森田崇」の代表作となるモーリス・ルブランの名作のコミカライズ。 イブニングの連載中止からヒーローズコミックスで無事復活した本作だが、名作「奇厳城」編を収録できた意義は大きかった。ルパンという非常に魅力的なキャラクターをマンガの世界で楽…

無限の住人

作者「沙村広明」の代表作にして、長年、アフタヌーンを支えていた時代活劇。 家族を惨殺された少女「凛」と、彼女の復讐のために雇われた不死の男「万次」の長い復讐の旅路。 とはいえ20年に渡る、あまりの超長期連載に、中だるみ感がなかったとは言えな…

町でうわさの天狗の子

作者「岩本ナオ」の出世作となった天狗の子も無事完結。 「雨無村役場産業課観光係」の牧歌的で少しリアルな世界観も良かったが、本作は、日常の高校生活の中に「天狗」という異世界を自然に混ぜ込んだ、混沌ファンタジー。 天狗と人間のハーフに産まれなが…

アバンチュリエ

日本でルパンのマンガを読むのであれば本作をオススメしたい。そんな風に感じる傑作である。 もちろん、原作のルパンの面白さがあるからこその本作の出来栄えなのだが、それにしても、トリックの舞台となる建物や、いかにもナルシストでアーティスティックな…