つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

総合3.5以上(オススメの名作)

迷走王ボーダー

原作「狩撫麻礼」、作画「たなか亜希夫」のベテランコンビにおける代表作ともいえる本作。バブルの時代の世相に背中を向けるように、境界線上の「あちら側」の人間の生き様に唾を吐いて、ただひたすらに奔放に生きる主人公、蜂須賀。序盤こそまだキャラが固…

刻刻

全8冊。近年のマンガ作品の中では、その構成とオリジナリティにおいて、群を抜いている、鬼才「堀尾省太」の傑作である。レビュー自体は、何を書いてもネタバレになってしまうほど、独特な内容の物語なので、未読の方は、何も考えずに、まずは手に取るのが良…

成恵の世界

成恵の世界の連載開始が1999年だったという事に、レビューを書いていてちょっと衝撃を受けた。 それもそのはず、最終13巻が出たのが2013年なので、あしかけ13年で13冊の単行本という、超スローペースの作品だ。 作者の妄想の赴くままに、ひたすら学園ラブコ…

BECK

物凄く久しぶりに更新。近年の音楽マンガの中では最も売れたであろうと思われるBECKを久しぶりに再読した。何のとりえもないと思われていた主人公が、音楽と出会い、その才能が開花していく展開そのものは王道で、非常に面白いのだが、唯一の難点は作品の長…

岡崎に捧ぐ

作者「山本さほ」の人生を決めたといっても過言ではない本作が、全5冊でついに完結したが、個人的には残念な最終巻だった。正確には確かに面白い作品だったけど、最終巻は正直、この倍ぐらい面白くできたんじゃないか、と思ってしまう。それぐらい4巻の最後…

だがしかし

だがしかしの最終巻が5月に発売されたので、レビューを書かなければなぁと思いながら、気がつけば10月である。駄菓子という前人未踏ながらも非常に可能性を秘めた設定を舞台に、マニアックな魅力のヒロイン「蛍さん」を登場させ、極めつけはタイトルが「だが…

ちいさこべえ

山本周五郎の原作小説「ちいさこべ」を元に、鬼才「望月ミネタロウ」がコミカライズした本作。原作は時代小説となっているが、本作はそれを現代版にアレンジして再構築した作品なのだが、このクオリティが何とも素晴らしい出来栄えである。特に望月作品の持…

師匠シリーズ

こちらも完結したら絶対レビューを書かねば、と思い放置していた作品。前の巻から予告されていた事ではあったが、予定調和的に全7冊で完結を迎えた。近年の短編ホラー作品の中では、最もお気に入りの作品であり、絵が綺麗な為に、気持ち悪さや震えがくる恐ろ…

俺たちのフィールド

ワールドカップといえば思い出させられる本作。作者「村枝健一」の代表作であり、少年サンデーにおけるキャプテン翼的なサッカーマンガである。世代的には90年代のマンガ作品らしく、夢物語的な展開が多くはあるが、少年マンガとしては妥当な水準だろう。中…

町田くんの世界

非常に気に入っていた本作も全7冊でついに完結である。ここ十数年変化が見られなかった、学園少女マンガにおける理想の男性像をメガネの主人公に置き換えたのだから、作者「安藤ゆき」の偉業はもっと称えられるべきだろう。実際問題、この造形のキャラクター…

クロサギ / 新クロサギ

詐欺師という今までマンガに馴染まなかったテーマを、詐欺師を狙う詐欺師=クロサギという設定で、見事に大ヒット作に押し上げた本作。 特に序盤の面白さは素晴らしく、多くの読者が魅了されたものである。 反面、詐欺の設定部分は面白いのだが、結局のとこ…

同じ月を見ている

引き続き「土田世紀」本作のテーマはまさに、作者が敬愛する宮沢賢治の作品「雨ニモマケズ」だといえるだろう。田舎の山奥で貧乏な暮らしをしながらも、誠実さや純粋さといった現代社会では失われた感性を持ち続ける主人公「ドンちゃん」東京から転校してき…

俺節

久しぶりに編集王を読み返して、完全に「土田世紀」の世界にやられたので、何作かレビューを。まずは、初期の代表作「俺節」である。この作者の画風で演歌の世界を描くという時点で、既に面白い事は確定しているわけだが、青森の片田舎から、単身上京した主…

雲の上のキスケさん

女性の視点でリアルな世界を描かせれば、右に出るものはいないのが「鴨井まさね」である。全編通して物語の起承転結があるかと言われればない作品だが、そんなところを通り越して、大人の女性のリアルな日常を描き切っている快作。基本的には、恋愛と仕事の…

生存~Life~

現在のように引き伸ばしてばかりの作品を描いていない頃の「福本伸行」原作によるショートサスペンスのお手本のような本作。余命半年を宣告された、家庭を省みなかったサラリーマンの主人公。自殺を考えた彼に届いた警察からの一本の電話は、14年前に失踪し…

幽麗塔

名作「医龍」の作者「乃木坂太郎」が描いた新境地。原案は幾度もリメイクされているミステリーの名作だが、本作はオリジナル路線を行く作品。仕事も金もなく行き場のなかった主人公「天野」があるとき殺人事件に使われた奇妙な時計塔「幽霊塔」に近づくこと…

憂国のラスプーチン

元外務省の主任分析官であり、ラスプーチンと呼ばれた男「佐藤優」を描いた傑作。 佐藤の逮捕から、最初の判決が出るまでの時間、物語の舞台はただひたすら、取調べの部屋の中のみ。 そこで繰り広げられる、検察とのやり取りと、語られる世界情勢と外交の世…

おざなりダンジョン

あまりにも懐かしい本作をレビュー。 昔からのマンガファンなら、タイトルだけでも覚えているはずの作品「おざなりダンジョン」 なんとなく目に入る適当なタイトルのこの作品が1980年代に始まってから、数々の打ち切りや連載雑誌の廃刊を経て、2013…

クレムリン

唯一無二のシュールギャグ系猫ちゃんマンガ。 そもそも、作者の名前が「カレー沢薫」な時点で唯一無二である。 道端に捨てられていた三匹のロシアンブルーの猫。名前は何故か三匹とも「関羽」。決して世の中に転がっている猫マンガと同じだと思ってはいけな…

黒子のバスケ

女性ファンに支えられた作品と思われがちの本作だが、SLAM DUNKという伝説のバスケ作品を連載したジャンプで、バスケマンガをヒットさせたというだけでも、作者「藤巻忠俊」はもっと評価されて良いだろう。作品としては、能力バスケットマンガとも呼べる、あ…

エンジェル伝説

後にクレイモアという名作ファンタジーを産み出す作者「八木教広」の初期の学園ギャグ作品である。 天使のように純朴で優しい心を持つ転校生「北野誠一郎」が、その悪魔のような容姿から、周囲の人間からは凶悪人物と誤解され、学校一の不良に崇められていく…

家栽の人

原作「毛利甚八」、作画「魚戸おさむ」コンビと言えば、この作品しかないだろう。家庭裁判所に勤める裁判官「桑田義雄」を主人公に据えた、本格的な司法ドラマの傑作だが、これほど地味な主人公も珍しい。植物を愛する穏やかな人柄で、温和な口調で青少年に…

はだしのゲン

戦争ジャンルを読みたくなって、はだしのゲンを物凄く久しぶりに再読。子供の頃に読んだ中で最も鮮明に記憶に残る作品であり、現在の戦争や平和や左や右に対して少なからず影響を与えた本作だが、物語の序盤、主人公のゲンが家族を失う体験が、作者「中沢啓…

あれよ星屑

戦後の時代を描いて話題になった本作も全7冊でついに完結である。基本的に戦争ジャンルマンガは、どうしても戦争の悲惨さを描く路線に走りがちである。自身が完全な戦争経験者になる、中沢啓治の「はだしのゲン」や、水木しげるの「総員玉砕せよ!」あたりは…

坂道のアポロン

久しぶりに読み返したが、やはり面白い。ここ近年で最高に好きな作品の一つである。 東京から転校してきた線の細い主人公と、暴れん坊で友人のいないもう一人の主人公。 対極的な二人を中心とする青春の物語は、なぜいつもこれだけ面白い素材になるのか。 特…

ワッハマン

奇妙な日常を描かせると右に出るものはいないマンガ家「あさりよしとお」 1万年もの昔、敵を抹殺するために創られた人造人間ワッハマン。 不死の存在である彼は、しかしそのあまりに長い年月故に自分の敵や使命を忘れてしまっていた。 ギャグマンガに見せか…

ジャストミート  / ふぁうるちっぷ

超ベテラン作家「原秀則」のマンガ界における立ち位置を確立した出世作。 デビュー作「春よ恋」「さよなら三角」の頃の画力を考えると、本作の最終巻あたりの画力は完全に別人であり、これほどマンガが巧くなった作者を私は他に知らない。以前レビューで描い…

めだかボックス

「西尾維新」という才能が、単なるマイナージャンルの存在ではなくジャンプというメジャーな舞台に耐えうる事を見せつけた異色の傑作。 才色兼備を超えた生徒会長「黒神めだか」を中心に展開する学園バトルとも呼べる本作は、オタク色の強い「暁月あきら」の…

SWEETデリバリー

「鴨居まさね」作品といえば、一般的には「雲の上のキスケさん」辺りが有名だが、私は本作が最高傑作だと思っている。 存在感ある大人を描かせたら当代屈指のマンガ家が、オリジナル・ウェディング制作会社という、世にもロマンティックな仕事を描くというこ…

デカスロン

マニアックな作品を世に送り出し続ける作者「山田芳裕」が、日の目を見た作品。デカスロン=十種競技という誰も注目したことがなかった作品を描いて、ヒット作品を産み出したのだから、その点は凄い。また、主人公「風見万吉」のキャラクターを一貫してバカ…