つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

総合3.5以上(オススメの名作)

わびさびと好事家 ~ へうげもの

総合評価・・・3.82 2024年現在、モーニングで「望郷太郎」を絶賛連載中の「山田芳裕」の代表作とも呼べる作品、それが本作「へうげもの」だろう。主人公は織田信長に仕える武将「古田左介」。のちの世に織部焼を残すことになる武将茶人「古田織部」なのだが…

日和見主義と革命 ~ 静粛に、天才只今勉強中!

総合評価・・・3.68 年始一作目はレア作品ということで我が家のマンガ倉庫の中でも希少性が高いと思われる本作を久しぶりに引っ張り出してくる。なんとも懐かしい月間コミックトムと希望コミックスである。月間コミックトムといえば、三国志や風雲児たちとい…

他者との交流 ~ 違国日記

総合評価・・・3.80 「花井沢町公民館便り」以来の久しぶりのヤマシタトモコ作品だったが非常に良かった。個人的には作者の最高傑作に位置付けたい。その理由はこの作品の主題が「他者との交流」にあるからだ。本作の主人公は、交通事故で突然両親を失った中…

宗教漫画の苦難 ~ あっかんべェ一休

総合評価・・・3.84 久しぶりに一流の作品を読んでしまった。とはいえ誰にでもオススメできる面白いマンガというわけではない。本ブログでは稀に「一流の作品」という表現を使うのだが、これは、「面白いとか面白くないとかを超えて創作者としての熱量が凄ま…

黒手塚の怪作 ~ 奇子

総合評価・・・3.56 手塚作品はあまりに膨大にあるわけだが、黒い手塚作品としてはかなり知名度の高い本作を今更ながら読了。タイトルがヒロインの名前「奇子」で、ネット情報だと手塚治虫がエロシーンを描いているという事や近親相姦といったテーマが強調さ…

公道最速理論 ~ 頭文字D

総合評価・・・3.84 レースを描かせれば当代随一の漫画家はやはり「しげの秀一」だろう。最近ではMFゴーストの流れから再度本作「頭文字D」に誘導される読者が増えたようだが、バリバリ伝説以来のファンとしては嬉しい限りである。ちなみにバリバリ伝説は当…

ポンコツロボコメディ ~ ぽんこつポン子

総合評価・・・3.54 作者「矢寺圭太」の「ずっと青春ぽいですよ」が最近お気に入りなので、同じ作者のぽんこつポン子のレビューを書くことに。頑固な独り暮らしのおじいさん「吉岡」のもとにやってきた30年前の型落ちメイドロボット「ポン子」、といういかに…

極道ギャグの開拓者 ~ 極道一直線

総合評価・・・3.76 ものすごく久しぶりに再読して大爆笑したので、過去記事のリライトをしようと探してみたところ・・・ ゲゲンチョー!! まだ書いていなかったのである、この傑作に関して。まさか極道一直線の記事を書き忘れていたとは。今でこそ極道をネ…

異色短編集 ~ 藤崎竜作品集

総合評価・・・3.64 最近、封神演義のレビューがやけにPVが多いので、それに関連して久しぶりに読み直した藤崎竜の各種短編集を再レビュー。ちなみに藤崎竜の短編を読みたい場合は、以下2つの方法がある。 ジャンプコミックスの藤崎竜短編集(全2冊)こちら…

ムーンライトの伝説 ~ 美少女戦士セーラームーン

総合評価・・・3.80 本当にいまさらながらにセーラームーンである。実は、これだけ何十年とオタク界隈に生息しながら、かつ、二十年ほど前にセーラームーンの単行本も新装版で入手しておきながら、漫画版を読んだ事がなかったのである。おそらくこれだけ長期…

転職の指南書 ~ ボクらはみんな生きてゆく!

総合評価・・・3.74 正直、山賊ダイアリーを超えるサバイバルマンガにはもう出会わないのではないかと思っていたのだが、ついにそれを超える作品が出てきてくれた。それが本作「ボクらはみんな生きてゆく!」である。全6冊と少し短めの完結となってしまった…

元祖ジビエ料理 ~ 山賊ダイアリー

総合評価・・・3.52 こちらも久しぶりに書庫から引っ張り出してきて再読。やはり面白い。1巻の発売が2011年という事で、既に連載開始から10年以上が経過したことを考えても、本作が狩猟とジビエ領域のマンガとして当時最先端を走っていたことは間違いないだ…

ネット黎明期の傑作 ~ 師匠シリーズ

総合評価・・・3.82 恐怖短編やSF短編といった作品群が大好物のブログ主なわけだが、近年の短編オカルト作品の中では、最もお気に入りなのがこの作品。インターネット黎明期の2003年頃から原作者「ウニ」が2ちゃんねる掲示板等に投降した一連の原作小説がコ…

恋に憧れた主人公 ~ 高校デビューから素敵な彼氏

総合評価・・・3.78 デビューから圧倒的に名作を作り続けて、かつ、連載のたびに時代に合わせたキャラ作りができる作者というのは、やはり天才であって、それが「河原和音」なのである。というわけで、部活少女が恋愛にデビューするという斬新な設定で一世を…

萌え文化の新境地 ~ メタモルフォーゼの縁側

総合評価・・・3.78 前回に続き、女性二人が主人公のマンガ第二夜マンガランキングで上位を獲得し映画化もしたので未読の方は少ないと思われる本作だが、正直苦手なマンガである。だが、それは面白くない、という意味ではない。非常に面白いのである。読後感…

社会が求める理想と現実 ~ 父娘ぐらし

総合評価・・・3.80 最近のエッセーマンガの中で最もお気に入りの作品を今更ながらレビューtwitterやnoteで読んでいたが、もちろん作者「渡辺電機(株)」の印税に貢献するために新品で購入である。しかし何度読んでも面白い、本当に素晴らしい。本当はもっ…

2000年代を代表する裏社会マンガ ~ 新宿スワン

総合評価・・・3.90 「東京卍リベンジャーズ」が売れまくっている、作者「和久井健」のデビュー作。東卍も人気が出るにつれて、タイムスリップを繰り返して引き延ばしているようにも見えるが、本作「新宿スワン」の最後をあれだけ綺麗にまとめあげた実力を信…

昭和だから許されたマンガ ~ 空手バカ一代

総合評価・・・3.60 なんとも懐かしいマンガが読みたくなって、古本市場で購入。「つのだじろう」が作画を担当した第一部までは読んでいたのだが、第二部は未読だったので、今回初めて完結まで読むことができた。結論としては、マンガ史において他に類を見な…

オタク女子ジャンルの大傑作 ~ トクサツガガガ

総合評価・・・3.90 たまにだけれども、世間的に物凄く売れているとわかっていても、タイミングを逃して読んでいない作品というものがある。本作「トクサツガガガ」がその一つで、かなり初期から話題になっていたので、何度も目には入っていたのだが、完結し…

早すぎた才能 ~ 封神演義 

総合評価・・・3.76 久しぶりの更新という事で、懐かしの封神演義である。ネタバレありなので、未読の方は禁止。 さて、ジャンプ連載当時に大好きだった本作を約20年ぶりぐらいに読み返してみて感じたのが、「あれ、この程度だっけ?」という何とも辛口な感…

薙刀ジャンルの開拓者 ~ あさひなぐ 

総合評価・・・3.68 ずいぶんと久しぶりに更新。 ついに完結という事で、中盤からしばらく距離を置いていた、「あさひなぐ」をやっと読了。 久しぶりの大型部活マンガだったと思うので、マンガ界の一大ジャンルといえる「部活マンガ」という領域に関して、ネ…

また名作が一つ・・・リボーンの棋士

総合評価・・・3.74 リボーンの棋士が全7冊でついに完結してしまった。打ち切りと思わざるを得ない中盤の急展開から、よくぞここまでまとめきった、という綺麗な終わり方だった。6巻の時点で次巻完結という衝撃の告知が出ており、これだけ面白いマンガをなぜ…

人外ラブコメディ ~ 実は私は

総合評価・・・3.56 最近、長期連載作品を完結してから読むことが多くなってきて、マンガを怠けている今日この頃。というわけで、本作も今更ながら読了。先にお断りしておくと人気作品だったかもしれないが、若干、辛口評価も入っているのでファンの方はご遠…

パレス・メイヂ 番外編

パレス・メイヂ 番外編~陛下のプロトコール~【電子限定おまけ付き】 (花とゆめコミックススペシャル) 作者:久世番子 発売日: 2020/03/18 メディア: Kindle版 近年の宮廷系ロマンスとしては最高峰といえる「パレス・メイヂ」の番外編もついに完結という事で…

ナガサレール イエタテール 完全版

あの超名作、ナガサレール イエタテールの完全版という事で、旧版は何度も読んだが即購入してしまった。 正直、旧版を読んだ人に真新しいサプライズがあるわけではないが、それでも作者「ニコ・ニコルソン」の代表作として、読み直さずにはいられない。あの…

銀の匙 Silver Spoon

北海道の農業高校を舞台にした学園青春コメディ作品がやっとこさ完結したということで、全巻集めて読み直すことにした。作者「荒川弘」は言うまでもなく現代最高峰のマンガ家の一人で、「鋼の錬金術師」終了後に始まった本作の面白さと、そのジャンルを問わ…

迷走王ボーダー

原作「狩撫麻礼」、作画「たなか亜希夫」のベテランコンビにおける代表作ともいえる本作。バブルの時代の世相に背中を向けるように、境界線上の「あちら側」の人間の生き様に唾を吐いて、ただひたすらに奔放に生きる主人公、蜂須賀。序盤こそまだキャラが固…

刻刻

全8冊。近年のマンガ作品の中では、その構成とオリジナリティにおいて、群を抜いている、鬼才「堀尾省太」の傑作である。レビュー自体は、何を書いてもネタバレになってしまうほど、独特な内容の物語なので、未読の方は、何も考えずに、まずは手に取るのが良…

成恵の世界

成恵の世界の連載開始が1999年だったという事に、レビューを書いていてちょっと衝撃を受けた。 それもそのはず、最終13巻が出たのが2013年なので、あしかけ13年で13冊の単行本という、超スローペースの作品だ。 作者の妄想の赴くままに、ひたすら学園ラブコ…

BECK

物凄く久しぶりに更新。近年の音楽マンガの中では最も売れたであろうと思われるBECKを久しぶりに再読した。何のとりえもないと思われていた主人公が、音楽と出会い、その才能が開花していく展開そのものは王道で、非常に面白いのだが、唯一の難点は作品の長…