つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

総合3.0以上(読んで損はない)

IPPO

何とも独特の作品を描く作者「えすとえむ」の作品。 イタリアの祖父の元で腕を磨いた若き靴職人が、日本で注文靴の店を構えることから物語りは始まる。 作者得意の少し鬱蒼とした雰囲気が、靴職人の世界の雰囲気になじんでいながらも、主人公キャラクターが…

わがままちえちゃん

二人の姉妹の片割れが自分の小さい頃に亡くなり、その幽霊と出会う場面から始まる本作。 そんな設定にも関わらず、作品のテンションは相変わらずの「志村貴子」である。ただ志村作品は面白い短編が多いので、氏の作品群の中では佳作といったところだろうか。…

坂本ですが?

作者「佐野菜見」が描く近年トップクラスの謎のシュールギャグ漫画。 とにかくスタイリッシュに何事も成功させる謎のキャラクター「坂本くん」の学校生活を描いた異端の作品。 正直、こんな頭のおかしいシュールギャグを4冊も続けられたこと自体が偉業であり…

偉大なるしゅららぼん

鴨川ホルモーの原作者「万城目学」が描く学園ファンタジー作品。 人の心を操る不思議な力を持つ能力の一族に産まれた主人公の物語なわけだが、人知を超えた能力の描き方は鴨川ホルモーと同様の展開だが、物語の面白さとしては今一つ。 特に、設定が難しくな…

一同、霊!

かつて作者「村上かつら」が、デビュー作「サユリ1号」を連載した時には、随分とスゴイ新人が現れたと思ったものだ。 そんな作者も、以降それほどヒット作に恵まれてはいないが、本作も中庸な作品だった。 内容的には、無職の草食系主人公が、昔の彼女に捨…

限界集落温泉

忙しさから逃げ出してホームレスになったかつての敏腕ゲームクリエーターと、狂言自殺が好きな売れないネットアイドルが、過疎化で営業停止した、田舎の温泉旅館で出会うことから始まる、故郷再生物語。 といっても、銭の作者「鈴木みそ」らしく、ノスタルジ…

好きだけじゃ続かない

作者の鬼才は相変わらずだが、年齢を重ねるにつれて、人間が丸くなってきたのかもしれない。そう感じさせる表題作「好きだけじゃ続かない」 学生時代の初恋と、少しだけ語られるその続き。 よくあるテーマと言えばそれまでだが、ここまで巧く描ける作者は少…

未来のうてな

ぼくの地球を守って=ぼく地球で一世を風靡した「日渡早紀」によるファンタジー作品。色々意見があるところだろうが、個人的には作者の最近の作風はそこまで気に入っておらず、やはり、「ぼく地球」時代が最も面白かったと感じている。そんな傑作を完結させ…

河よりも長くゆるやかに

デビュー以来、独自路線を走り続けた作者「吉田秋生」の感性が良く出ている作品。男子高校生3人組の男くさい青春を描いた物語と紹介される事の多い本作だが、その表現は適切ではない。出展は忘れてしまったが、「読んだ時に女子高の雰囲気だと思った」という…

ゆかりズム

偶然だが、本日も前世作品のレビューである。作者「潮見知佳」は、「ゆららの月」から始まる一連のシリーズが代表作だが、本作も、なかなか見劣りしない作品である。産まれた時に、体に刀傷の後を持った主人公と、彼の江戸時代の過去生に絡んでいた人々が徐…

女子妄想症候群

フェロモンをまきちらす美少年「炬 烔至」と、そんな彼を見ては妄想をつのらす「唯木 滸」の二人を描いたラブコメ作品。序盤は圧倒的なギャグ漫画で、可愛い絵柄で下ネタ、デフォルメ、劇画とジャンルを問わずにネタを放り込んでくるその姿勢に少女マンガに…

エマは星の夢を見る

ミシュランの調査員という秘密のベールに包まれた職業の経験者を原作に迎えモーニングで連載されていた「高浜寛」の最新作である。作者の作品が好きなので、非常に期待して読んだわけだが、良くも悪くも普通の面白さの作品だった。誠実な世界観を描く作者な…

皺 -shiwa-

珍しく海外作品のレビュー。日本のマンガ作品だけでも読み切れない現状なので、海外作品はなるべく控えているのだが、手を出してしまったのでレビュー。 表題作「皺」は老いと認知症をテーマにした作品。この濃密さと、淡々として、それでいて味わい深い内容…

ガートルードのレシピ

様々な悪魔の身体の一部をつなぎ合わせて創られた人造悪魔「ガートルード」と、そんな彼の旅につき合う事になった少女「佐原」の物語。悪魔の製造方法を「レシピ」と評するタイトルにもあらわれているように、ファンタジー作品としてのオリジナリティは相当…

R.O.D - READ OR DIE

本を愛し、本に愛される愛書狂の主人公「読子・リードマン」原作「倉田英之」のライトノベル作品を、「山田秋太郎」がコミカライズさせた本作だが、基本的にはマンガというよりアニメ映えする構成の作品になっている。特に主人公が操る、「紙」という能力の…

世界はみんなボクの為

なんだかんだで中堅どころとして、これだけ長い期間マンガを描き続けられているという事が、作者「斉藤倫」の実力を示しているのだろう。本作は、超自己中心的な性格でバスケが好きな「季一」と、幼馴染の「つかさ」の二人を描いたラブコメ作品。 女の子には…

花とみつばち

なんとも「安野モヨコ」らしい作品である。クラスのモテないグループに位置しながら、どうしてもモテたい男子高生「小松」が、ひたすら無様にもがいていく本作。男子高校生の持つ、リビドーなのか愛情なのかよくわからない思春期特有の恰好悪さを女性作者な…

出産の仕方がわからない!

「カザマアヤミ」のエッセイシリーズ第三弾である。旦那さん「紺野あずれ」との出会いを描いた「恋愛3次元デビュー」から読んでいるが、ついに子供の出産までたどり着いてしまい、なんとも時の流れを感じる作品である。ただ、旧作から読んでいるファンには面…

MとNの肖像

M=マゾのヒロインと、N=ナルシストの彼氏という異質なキャラ設定で挑んだ「樋口橘」の初期作品。序盤は、性癖描写と画力のレベルがあっておらず、なかなかに読みづらい部分があったが、全6冊の中で、画力は確実に向上している。ストーリー全般も、典型的…

マザー・ルーシー

ペンネームが色々と変わる作者「沖さやか」の初期作品。掲載していたヤングサンデーで回収騒ぎを起こした連載「マイナス」の次に発表された本作だが、一言でいえば振り切れている。ひたすら楽しく、SEXしたいだけの日々を過ごす、主人公ルーシーが、突如…

恋愛3次元デビュー

内容的には最近よくある、マンガ家自伝エッセイであり、その内容が自身の恋愛と結婚になっているだけなのだが、正直、この作者は頭がおかしい。(良い意味で) 確かにオタクをこじらせて30代で初めて他人と付き合うとこうなってしまう事もあるのかもしれない…

結婚しようよ

「りびんぐゲーム」で世に出た作者「星里もちる」の初期作品。どうしても結婚したい主人公「紺野雅寿」と、仕事に夢中で結婚にメリットを感じない彼女の「見城早苗」の二人の恋愛を描いたラブコメディ。ただし、ラブコメ系の中でもコメディが強みの作者の作…

天体戦士サンレッド

溝ノ口発の真っ赤なヒーローの物語も全20巻で完結である。 アニメ化等凡そ想像できないほど、ひっそりとマニアの間だけで読まれていた小規模川崎ギャグ漫画が、ここまで伸びる作品になるとは、作者「くぼたまこと」自身も予想だにしなかったであろう。悪逆主…

純潔のマリア

「もやしもん」の作者というイメージが強くて忘れていたが、「週間石川雅之」の作者でもあったのだな、と思い出させられた。 イングランドとフランスの100年戦争の時代に生まれた魔女マリアは、自分の嫌いな戦争をなくすために、世界中を相手に自分勝手に戦…

火事場のバカIQ

「榎本俊二」作品といえば、やはり「ムーたち」が最高傑作なのだが、一連の榎本作品の集大成という見方では、本作はなかなか力作ぞろいだ。 得意の下ネタ、不条理、言葉遊び、そして恐怖を見事に交えた傑作短編集になっている。 特に「IQ-005」は秀逸…

Cold apartment

絵本のような可愛らしいキャラクターと、グロテスクなホラーを混ぜ合わせた「財賀アカネ」の初短編集。マンガというよりは、絵が好きな人が書いた物語といった雰囲気で、ストーリーを楽しむというよりは、可愛い絵柄のキャラクターが、殺伐とした血しぶきが…

晴れゆく空

「谷口ジロー」である。過労死寸前まで働き過ぎた結果、若者と交通事故を起こしてしまった主人公「久保田」。彼が事故から目覚めた時には、彼の意識は交通事故の相手の若者「小野寺」の中に混ざりこんでいた。こんな風に書くと、昨今のライトノベル的なあら…

柴田さんちのエリザベス

これは久しぶりに勿体ない作品だった。世界的な富豪の娘「エリザベス」がお見合い手を間違えた事をきっかけに、日本のしがないサラリーマン「柴田薫」のお嫁さんになるという強烈な導入。しかも、「薫」の家には前妻が残した、連れ子が5人。そんな生活の中に…

9時から5時半まで

ベテラン「逢坂みえこ」による往年の名作。80年代に経営コンサルタント会社を舞台に、女性と仕事をテーマにした本作を描いた腕前は流石である。この辺り、自身が経営コンサルタント会社に在籍していた経験がなければ、描けなかったであろう。また、流石に約3…

月影ベイベ

「坂道のアポロン」の作者「小玉ユキ」が好きなので、1巻から楽しみに読み続けていた本作も、全9冊でついに完結である。 富山県富山市八尾地域の伝統の踊り「おわら」を軸にした青春活劇だが、難しいテーマを選んだわりには安定感が抜群であった。 この辺り…

ひきだしにテラリウム

(2013年評)しかし、相変わらず残念なことに「九井涼子」と相性が悪い。わりと騒がれる事の多い作者だが、そこまで素晴らしいと思えないのが残念。今回は前2作に比べて、格段に画力の自由さが上がっているのは認める。縛られることなく作品作りが出来てい…

相羽奈美の犬

強烈に感想を描くのが難しい作品。さすが「松田洋子」である。 ヒロイン相羽奈美を追い回すニートの引きこもり主人公が、交通事故に巻き込まれて、結果、犬になり、彼女に飼われる事になる。 ここまででも相当強烈な展開だが、この主人公が人間に噛みつくと…

ヨイコノミライ 完全版

今でこそベテランになりつつある、作者「きづきあきら」+「サトウナンキ」の夫婦コンビだが、その名を高めたのは、やはり本作からだろう。漫画サークル系マンガが人気を博しはじめた、2000年代にWeb系雑誌に颯爽と登場し、ダークな視点のオタクマンガを提供…

オンノジ

主人公のミヤコ一人が存在する不思議な世界。何をすることもない不思議な日常の中で、彼女は町でみつけた何かを「オンノジ」と名付ける事になる。 作者「施川ユウキ」作品独特の、シュールでほのぼのとした世界観と、不意に挟まれる独特の暗さ。 今までの発…

東京アサイラム

定年退職した主人公が、妻とどうしようもない理由で喧嘩をして家出。その後、公園で怪しい男に誘われた先は、3畳一間のボロアパート。まさにタイトルにあるアサイラム=避難所での不思議な生活を描いたシュールな作品。作者「太田基之」は、非常に地味な作風…

ストーリー

近年におけるショートストーリーの名手といえば、やはり「戸田誠二」の名前は挙がるだろう。決して巧いわけではないが、ショートストーリーを描くには欠かせない、幅広いキャラクターの表情と特徴の強すぎない画風。テンポの良いネームと、キレのある構成。…

JA~女子によるアグリカルチャー~

JA=農協に切り込んだ社会派作品、ではなく、よくある女子キャラ主人公による農業を描いた作品である。作者「鳴見なる」が農家育ちの「唐花見コウ」に協力を仰いだことから共作という珍しいスタイルで開始されていたが、メインは「鳴見なる」が作成しており…

喰う寝るふたり住むふたり

結婚しないで同棲生活が続き、気が付けば8年が経過した頃から始まる男女の日常物語。内容自体は普通だが、1つの話を常に男性編と女性編の2つの視点から描くという構成が抜群にはまり、人気作品となった本作。 常に1話を2つ書き続けるのだから、作者「日…

魚喃キリコ短編集

女子サブカル系マンガ界に君臨する作者の一人「魚喃キリコ」による初期短編集。90年代後半から2000年代前半にかけての作品が収録されているが、面白いのはやはり、その作風の変遷だろう。序盤の収録作品「彼女のことを、いっこだけ」は、感性の部分では作者…

失恋ショコラティエ

鬼才「水城せとな」が描いた、非常に評価が難しい作品。それが、本作「失恋ショコラティエ」である。長年片思いした女性に失恋したことをきっかけに、一流のショコラティエを目指す人生が始まるという導入は抜群に面白かった。そして、人妻になった彼女を追…

透明人間の恋

「町田くんの世界」で独自の路線を築いている作者「安藤ゆき」の初期短編集。少女マンガによくある恋愛オムニバス形式の作品集だが、キャラクターの持つ躍動感の高さが、その後の活躍を伺わせる。また、作者独特の絵柄や描写が魅力的で、昨今よくある少女マ…

時間の歩き方

「榎本ナリコ」が面白いのは知っていたが、もっと感性のマンガ家だと思っていたので、タイムトラベル作品が描けるとは夢想だにしなかった。 ところが、これが面白い。 勿論、凄く難しい設定の作品なので粗を探そうと思えばたくさん見つかるのだろうが、最初…

「鈴木みそ」をマンガ家として復活させたといえる作品。 それが、本作「銭」である。マンガやアニメの値段から始まり、自営業の値段、ペットの値段、エロの値段、そして、人の命の値段。世の中のお金にまつわるストーリーをひたすら描くその作風は、作者の得…

ジュゲム・ジュゲム

地味な作者「ケイケイ」が送る何とも言えない女性の日常を切り取ったオムニバス形式の作品。非常に地味な作品なのだが、どこにでもありそうで、なんとも言えない日常を面白い物語として描く腕前はなかなかのもの。キャラクターの表情も目玉が描かれるだけで…

掟上今日子の備忘録

マンガ版は5巻で第1シーズン完結との事。しかし、流石に原作「西尾維新」である。眠るたびに過去の記憶を失う忘却探偵という設定は、数多くの探偵マンガが乱立している現代においても色褪せない設定だった。そして、忘却探偵が登場する遠因を描いた2巻のスト…

うみべの女の子

オシャレ系最先端のマンガ家「浅野いにお」の作品。知っている限りでは性描写が最も多い浅野作品なので、その辺りが嫌いな人は読まないほうが良い。 いくつも浅野作品を読んできたが、そろそろ「浅野いにお」が理解できた。 最初に読んだ時のインパクトが素…

足摺り水族館

不思議な作品を描く作者「panpanya」による、初期短編集。最初に収録されている「完全商店街」が白眉で、これは確実に読む価値のある傑作。 異様なまでに書き込まれた細部と、ぼんやりとした主人公の描画のギャップがたまらなく面白い。そしてその構成は、物…

ブスだけどマカロン作るよ

その圧倒的なタイトルに思わず目を引かれたら、「カレー沢薫」だった。即購入、爆笑。 ここまで惜しげもなく自分の痛い過去をさらけだせる女性漫画家も少ない。これは、エッセイ系漫画に必要な才能だ。 表題作以外にも、いくつかの作品が含まれており、「な…

どうにかなる日々

相変わらずマンガ読み泣かせの作者、それが「志村貴子」である。何か物凄く深いテーマ性や物語があるわけではなく、淡々と男と女や少年と少女や場合によっては少年と少年の恋愛やSEXを描く本作。シリーズで続く短編もあれば単品で終わる話もあり、テーマ…

やさしいセカイのつくりかた

研究する場所を失った若手天才数学者の主人公と、自身の異端の才能が周囲にばれることを恐れて、一般人と同じ程度の知能のふりをする女子高生の二人の出会いから始まる物語。 最初の設定だけを見ると非常に面白そうな展開が期待できた作品だが、最終的には非…