つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

総合2.5以上(面白い、かな?)

ドージンワーク

同人誌即売会を舞台に、同人誌販売に勤しむ主人公達をテーマにした、有名4コマ作品。 一昔前なら確実に載せられない作品だが、今となっては何ら真新しさを感じないのだから、昨今のマンガの方向性には、末恐ろしいものがある。 オタク系の作風の為、その手…

モテないのではないモテたくないのだ!!

カラスヤサトシの学生時代をベースに作られた、半フィクションの物語。テーマはタイトルの通りで中学入学から卒業までの、モテない中学生の心のこじらせ方を描くことに見事に成功していた。 もう少し自虐自伝的な作品かと思っていたので、フィクションとして…

さよなら三角

今となっては古参のマンガ家となった「原秀則」の最初のサンデー長期連載作品であり、幼馴染のヒロインと主人公が織り成す典型的なラブコメディ作品。今の作者のレベルからは想像できないほど、絵も内容も稚拙な作品だ。 ただ、その前のデビュー作からすると…

青春離婚

これはもう、完全にタイトル勝ちだろう。 以前から述べているとおり、やはり小説がコミカライズされる作品はタイトルが上手い。 文章のプロなのだから、当たり前と言えば当たり前だが、それにしたって、この凡百な作品を、ここまで期待感高く読ませるのは、…

ものの歩

未だ成功作品の少ない将棋というジャンルで、ジャンプに挑戦した本作だが、今週号で完結。作者「池沢春人」にとっては、初連載作品よりも短命に終わる作品となった。開始当初こそ、そこそこの面白さを維持していた本作だが、結局のところ、キャラクターマン…

物の怪らんちき戦争

(2012年評)本作はいわゆる妖怪モノ。水木しげる御大のファンとしては、妖怪作品は基本抑えてしまうのだが、なかなか名作には出会いづらい。 以前、別作品でも評したように、妖怪=水木作品の為、その縛りから逃げようと、マイナー妖怪に走るか、オリジナリテ…

magico

恋愛とファンタジーを魔法で絡めた、意欲作。惜しむらくは、あまりにバトル描写が下手だった点か。 少年ジャンプ連載において、この欠点は致命傷だった。 とにかく、バトルが盛り上がらない。かといって、魔法世界ファンタジーをテーマとする以上、このバト…

エニグマ

(2012年評)謎の存在エニグマの力で、学校の中に囚われることになった7人の主人公達の物語。 序盤の学校脱出サスペンス部分はまだ面白かったが、脱出後の物語はかなり強引な展開になり、打ち切りらしい終わり方を見せている。 この手のサスペンス調の作品…

はじまりの竜とおわりの龍

月刊IKKI最後にして最大級の新星、熱筆。 という帯につられて買ってしまったわけだが、最近、過剰な帯に負けている作品が多く、そろそろ帯買いをするのをやめるべきだと感じている。 意味深なタイトルと美麗な表紙に誘われて購入したわけだが、そこそこ…

アラクレ

育ての両親が亡くなり、身寄りが無くなった主人公のもとに名乗り出てきたおじいちゃんは本物の任侠の人だった。 そんなトンデモ設定から始まる女子高生の日常を描いた学園ラブコメ。 新しい学校で、お嬢様と勘違いされるが、たまに出てしまう地の啖呵は本職…

瀬戸内少年野球団

(2012年評)「放課後ウインド・オーケストラ」の宇佐悠一郎の作品ということで手にとって見た。 しかし。。。まぁ残念ながらだ。 原作未読だが、原作の質は高いと思われる。何故なら、あまり極端なドラマが起こらないからだ。 昭和20年からスタートする、淡…

ネルソン・マンデラ

近年まれに見る勿体ない作品である。ネルソン・マンデラこの偉大な人生を歩んだ男のドキュメンタリー。そして、作者は「栄光なき天才たち」の「森田信吾」という事で、これ以上ないほど期待したのだが、正直、がっかりだった。全体の構成がわかりにくい、物…

凹村戦争

(2012年評)西島大介作品は何を求めて読むのかによって、評価が大きく異なるだろう。 「わかる人にはわかる作品」 と思って読めば、随分高尚な作品にも見えてくる。 「キャラクターや作風が独特」 と思って読めば、オリジナリティーが高い作品にも見えてく…

四稲家の人々

(2012年評)新人マンガ家の描く初の連載作品というのは、マンガ読みとしては非常に面白い。 作品のクオリティの意味ではなく、宝探し的な意味でだ。 物凄い成長を見せるケース新人にしか描けない作品を描くケースどこかで見た作品を描くケース 様々な出会い…

四百四病の外

私の中での少女マンガ家ランクとしては、相当なベテランとして認識されている「聖千秋」だが、マンガとしての面白さという意味では、なかなかに今一つだった。タイトルは非常に秀逸。物語も読み返してみれば、四百四病の外、つまり恋の病に翻弄されている人…

東京シェアストーリー

ゼノンも随分冒険したな、と感じていた作品だったが、あえなく全2冊で終了。 正直、作品のテーマとしては近年では抜群だった。主人公が38歳。アラフォーだけに限定された女5人のシェアハウス生活という設定に魅かれる。 昨今、女性マンガの主人公は30代も多…

F氏的日常

鬼才「福山庸治」といえば、マドモアゼル・モーツァルトだが、そんな作者のオムニバス短編集。文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞との事だが、マンガとして面白いというよりは、経済誌に連載されていた、1コマ風刺マンガとしての評価が高いのかもしれな…

Fashion Leader 今井正太郎

(2012年評) 早期打ち切り作品だがマガジン読者なら記憶に残っている方もいるのではないだろうか。 絵、作風、テーマ、と三拍子そろって独自性が強く、多くの読者を敵に回して早期に打ち切られてしまった残念なマンガだ。 しかし、「ファッション」という現…

放課後のカリスマ

偉人のクローン達が活躍する学園物語で、タイトルが「放課後のカリスマ」 実際のところ本作で最も成功していたのは、この秀逸な設定と、それを簡潔に示したタイトルだった。その意味で、作品序盤に大いに盛り上がって売れたのは頷ける話だ。しかし、謎が明か…

あの日からのマンガ

(2012年評)しりあがり寿と言えば、個人的には「流星課長」がお気に入りである。 「どんな満員電車でも必ず座って帰る伝説の中間管理職」 風刺作品としても単純なギャグ作品としても秀逸だった。 そんな奇才が描いた、大震災以降の日常を描いたマンガ。 震災…

九月病

(2011年評)シギサワカヤ作品2つめ。 兄妹の近親相姦 同僚との恋人とはいえない関係妹の売春元恋人のリストカット とりあえず、描きたかったであろう歪んだ空想を色々詰め込んだ作品となっており、混沌としている。 面白い話もあれば、若干その感性につい…

7年目のツレがうつになりまして。

まさかの映画化まで果たしてしまった「ツレがうつになりまして。」の完結編とも思える続編。最早、うつだったころの緊迫感や切実さは過去のことになりつつあり、自然体での暮らしを楽しみ始めている二人の生活には、微笑ましさを感じる。ただ、それが漫画と…

ヨメさんは萌え漫画家

萌えキャラで一世を風靡した作者「こげどんぼ」による日常切り売りマンガ自衛官の旦那さんとマンガ家の嫁という組み合わせを上手く料理しているあたりはさすがにベテランの腕前だが、昨今は、この手のエッセー系マンガがかなり出版されているので、評価とし…

翔んで埼玉

なにゆえに今更コミックスにしたのか。そんな思いがやまない鬼才「魔夜峰央」の作品。埼玉ディスマンガとして宣伝されているが、どちらかというと地名だけを利用したSF作品である。フィクション度は相当に高く、埼玉あるあるではないので、その点は要注意。…

足洗邸の住人たち。

マイナー雑誌ならではのマニアックな設定を活かした妖怪奇譚。巻末付録のキャラクター設定や、妖怪・異界の物語は、作者「みなぎ得一」の世界観への圧倒的なこだわりが駄々漏れている。そもそも、作者の描く作品全てが、一つの異世界の中での事件を中心に描…

タビと道づれ

普段あまり読まないタイプのマンガ。雰囲気系の作品とでも言うべきか。 1巻のオビは天野こずえが推薦文を描いているが、確かに似た系統の作品として『ARIA』等が挙げられるだろう。 ただし、本作はもっとファンタジーかつミステリー色が濃い。 誰も、出るこ…

水面座高校文化祭

(2012年評)第一巻の表紙をめくれば、そこに広がるのは文化祭の熱狂。 なんとなしに手に取ってみた作品だったが、とにもかくにも絵が上手い作者だった。 これだけ画面狭しとキャラクターを動かせるのだからマンガ家としての資質は十分なのだろう。 しかし、…

サマーウォーズ

(2012年評)大ヒット映画作品のコミカライズ。 基本的にはコミカライズ作品にはあまり興味がないのだが、「杉基イクラ」には興味があったので読んでみた。 原作映画の大ヒットは、前作、「時をかける少女」への評価が反映したものであり、原作映画自体は残…

とある飛空士への追憶

メディアミックスの功罪 本作を読んで感じたことは第一にそれだった。 もともと、ライトノベルの原作に関しての噂は聞いていた。大変素晴らしい作品だ、と。 ただ、基本的にはマンガを読むスタンスなので、原作に手を出したことはなかった。 そんな私がこの…

武士沢レシーブ

期待されたマンガ家の新連載が2巻で終わってしまったのだから、やはり本作は駄作といわざるを得ない。前作マサルでの弱点を解決する術が見つからないまま、連載が始まってしまった、そんな苦悩がありありと伝わってくる作品だ。 その意味ではお勧めはしづら…