つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

榎本俊二のカリスマ育児

さすがに「榎本俊二」である。

昨今、世の中にあふれている
マンガ家の育児エッセイマンガとは一線を画している。

これだけシュールに自分の子供を描けるのは、
ギャグマンガ家が最も得意とする、
客観視の力が大きいのだろう。


また、父親という観点で育児を眺めている点も、
そのシュールさを深めている。


ただ、読んでいると
想像以上に育児には介入しているようで、
それならもう少し作品が主観的な
育児エッセイになって良さそうなのだが、
淡々とした雰囲気で続くのだからさすがだ。


その意味で本作はよくある育児エッセイ系マンガではない。


自分の家族をマンガのキャラクターに置き換えた、
育児をテーマにしたマンガなのである。流石だ。

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まじめだけど、したいんです!

 

 非常に珍しくWebコミックの作品。

真面目な高校生の主人公二人と、
性への関心を描いた作品だが、
第一話を試し読みしたらついつい全部読まされてしまったので、
作者「嘉村朗」の腕前は確かである。

性的な描写が含まれているが、
内容的には正統派少女マンガの要素も強く、
Webコミックにしておくには勿体ない作品。

大手の少女雑誌で連載させても、
このレベルなら間違いなく売れるだろう。

まぁ、Kindle等の方が印税率が高いので、
もはや、大手系列の雑誌に載る意味は
ないのかもしれないが。

完結していない作品だが、
一話試し読んでしまったら、
きっと最後まで気になって読んでしまう作品だろう。

放浪息子

志村貴子の最長編作品
放浪息子

これだけの長編なので、
今までの志村作品とは何か違うかと思えるが、
やっぱりあまり変わらない。


ただ、相変わらず圧倒的に
色気があり魅力のある作画である。

本ブログでも何度も天才と評している通り、
この作者の場合、やはり本質的にマンガが巧いのだろう。


また一貫して性に関するテーマを描くことで、
キャラクターが活き活きと動いている。


本作は、
「男の子になりたかった女の子と女の子になりたかった男の子」の、
一言でいってしまえば、ただそれだけの物語だが、
普段の志村作品より巻数が多い分、
彼等の成長を丁寧に描けており、
物語としても無事完結している点が魅力的だ。


ただ、志村貴子に複雑な伏線や、
壮大なファンタジーを求めるかと言えば、
そんなことは全くなく、
相も変わらず、性や恋に悩む少年少女を描かせれば、
40歳近くになっても現役最高峰なのだから、
この感性で同じ作品を描き続けてほしいものだ。


余談だが、13巻のあとがきに他のマンガ家からの
寄せ書きが入っていたが、アタリをつけずに
ほぼ修正なしで描いているらしい。

まぁ、絵が圧倒的に巧いのは昔からなので、
今更驚く事でもないわけだが。

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