研究する場所を失った
若手天才数学者の主人公と、
自身の異端の才能が周囲にばれることを恐れて、
一般人と同じ程度の知能のふりをする
女子高生の二人の出会いから始まる物語。
最初の設定だけを見ると
非常に面白そうな展開が期待できた作品だが、
最終的には非常に普通の物語として完結している。
作者「竹葉久美子」は
女性キャラクターの描写は巧いのだが、
天才数学者や、大人の苦悩を描くには、
もうひとつキャラクター造詣や
ストーリー描写の力が不足しているようで、
最終的には、高校を舞台にした
箱庭空間の恋愛マンガとして着地してしまった。
ただ、この辺りは少女マンガが
圧倒的に得意とするジャンルでもあるので、
電撃コミックスレベルだと闘えるが、
純粋恋愛ラブコメが主戦場の雑誌では厳しいだろう。
キャラクター描写が可愛いので、
その方面だけに走らない事を
次回作には期待したい。